ストーリー

 

 太陽系近くで、星間国家ボラー連邦と侵攻星間国家ガルマン帝国との戦争の最中、放たれたプロトンミサイルの流れ弾が宇宙の彼方に消えていった…
これが地球にとって悲劇の始まりとなった。


 23世紀初頭、古代進はヤマト艦長へと任命され、藤堂長官より相談を受ける事となった。
それは太陽の核融合異常増進が起こっており、このまま進むと1年で地球上の生物が生存出来なくなり、はては3年後には太陽が超新星化して爆発、地球をはじめとする太陽系の全ての惑星を道連れに宇宙から消滅するというサイモン教授による計算、そしてそこから導き出された結論、“第二の地球”を見つけて移住するしかないという。そこでヤマトを第二の地球探しの特務艦として派遣し、その任務を遂行してほしいという内容であった。


 地球では太陽の核融合異常増進による影響に翻弄されつつあった。
ヤマトは第二の地球探しの航海へと旅立つ事になり、土門、揚羽をはじめとした新乗組員を乗せて、異常気象で雪の積もった日本アルプスの雪を蹴って今、飛び立つ!!


地球上の全生物死滅の日まで、あと329日―


作品概況

 1981年10月11日(翌年4月4日最終回放送、全25話)にテレビ放送された本作『宇宙戦艦ヤマトⅢ』は、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズにおけるテレビシリーズの第3弾。
通称:「Ⅲ」「ヤマトⅢ」「パート3」等

放送に先立ち、1980年9月25日に放送された『宇宙戦艦ヤマト・その愛と冒険のすべて』で本作の特集が組まれ、本作第1話の一部(但し、本編とは音声が異なる)が先行放送された。また続編である『宇宙戦艦ヤマト 完結編』の上映後、1983年12月28日には『宇宙戦艦ヤマトⅢ』の総集編となる『宇宙戦艦ヤマトⅢ 太陽系の破滅』(通称:ヤマトⅢ総集編)も放送されている。


 本作『宇宙戦艦ヤマトⅢ』は、前作『ヤマトよ永遠に』の続編となる。本作の続編は『宇宙戦艦ヤマト 完結編』

音楽概況

作曲:宮川泰、宮川彬良

編曲:宮川泰

指揮:熊谷弘、宮川泰

音響監督:鳥海俊材

演奏:シンフォニック・オーケストラ・ヤマト

収録:1980年09月29日、10月、11月

収録曲数:約150曲

オープニング主題歌:宇宙戦艦ヤマト
<作編曲 - 宮川泰 / 作詞 - 阿久悠 / 歌 - ささきいさお / コーラス - ロイヤル・ナイツ、ミュージカル・アカデミー>

エンディング主題歌:銀河伝説
<作曲 - 宮川泰 / 編曲 - 川口真 / 作詞 - 阿久悠 / 歌 - 岩崎宏美>

エンディング主題歌:別離
<作編曲 - 宮川泰 / 作詞 - 和田順子、山口洋子 / 歌 - 堀江美都子>

エンディング主題歌:ヤマトよ永遠に
<作編曲 - 宮川泰 / 作詞 - 安藤ありさ / 歌 - ささきいさお>

 

― 本作では様々なジャンルの音楽から成り立っている事が1つの特徴と言え、その中でもボラー連邦を表す音楽としてヴァイオリンとチェンバロン(収録ではシンセサイザーが用いられた)を主体とする“スラヴ民族音楽”がフィーチャーされている事は代表的な例でしょう。もう1つとして、トラックダウン(ミックス)違いの楽曲が多く存在するという点も特徴的です。
テレビシリーズ用の楽曲という事もあり、汎用性の高い音楽が必要になった事からも“様々なジャンル音楽”というは必然的でありますが、従来の作品で幾度もアレンジされ続けてきた「宇宙戦艦ヤマト」の変奏曲(メロディを一部使用した曲は存在する)が無いのは逆に興味深い点でもあります。
エンディング主題歌である「別離」と「ヤマトよ永遠に」の作詞は一般公募から選ばれたもので、ヤマトにおけるファンの存在を表した曲と言ってもいいでしょう。

 『宇宙戦艦ヤマトⅢ』の音楽収録は実にタイトなスケジュールの中、行われていました。
最初の収録が放送開始の12日前に行われ、その後の収録は放送中に行われるという異例かつ非常にタイトなものでした。それだけに限らず、本作の前にテレビシリーズ『宇宙空母ブルーノア』(1979年10月)、同『メーテルリンクの青い鳥 チルチルミチルの冒険旅行』(1980年1月)、そして前作『ヤマトよ永遠に』と何れも宮川泰氏担当による作品が立て続けにあった中での作曲は非常に困難を極めた事でしょう。
それでも素晴らしい数々の曲を生み出せたのは、宮川泰氏の底知れぬパワーとそれを音にした奏者たちのプロ魂の他ありません。本作の音楽を聴いた時に、それをひしひしと感じさせてくれる事でしょう。

 本作において“音楽集”と名の付くものは作られませんでしたが、『交響組曲 宇宙戦艦ヤマトⅢ』というアルバムが作られました。
これは『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』とは異なる内容であり、内容としては音楽集寄りで、本作の代表的なテーマが収録されています。従来の音楽集と異なり、本編用に収録された音楽から構成されているという点も特徴的で、音楽性に満ち溢れた音楽が本作に多く存在している事を示唆しています。


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