ストーリー

 

 宇宙にあまねく星々は静謐を望みながらも、暗黒の彼方より戦火はもたらされる…


 帝星ガトランティスとの壮烈な戦いから3年…時に西暦2205年。
平和国家としての道を歩み始めた地球は、ヤマトを旗艦とした第65護衛隊を編成し、ガミラス星そしてイスカンダル星に向け、平和使節団を送り出そうとしていた。


 ヤマトの艦長に就任した古代の前に、新たな乗組員達が華々しく整列する。その中には、古代に厳しい思いを抱く土門竜介の姿があった。
かつてのクルー、薮助治(ヤーブ・スケルジ)をガミラスの技術官として往路に加え、ヤマトは新たな航海へと旅立つ。


 一方、ガミラスを滅亡から救うべく、デスラーは新天地ガルマン星への移住を開始させていた。
その最中、ガミラス星は未知の敵からの攻撃を受ける。
突如もたらされた急報にヤマトは…!?


 大マゼラン銀河に寄り添う双子星、ガミラスとイスカンダル。
古(いにしえ)より結ばれし双子星の真実が解き明かされし時、古代とデスラーは身らの意志を問われる―

作品概況

 2021年10月8日より全8話を前・後章に分け、先行上映(2022年2月4日後章上映)と2024年5月2日からテレビ放送(同年6月20日最終回放送)された『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』『宇宙戦艦ヤマトⅢ』を原作とするリメイク作品である。
通称:「2205」「ヤマト2205」「新たなるリメイク」等

 本作『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』は、『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』『宇宙戦艦ヤマトⅢ』を原作とするリメイク作品であり、前作『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』の続編となる。本作の続編は『ヤマトよ永遠に REBEL3199』

音楽概況

作曲:宮川彬良、宮川泰

編曲・指揮:宮川彬良

音響監督:吉田知弘

演奏:ヤマト2205オーケストラ(※『宇宙戦艦ヤマト2199』に対しの便宜上名称)

収録:2020年9月

収録曲数:約50曲

■宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち

オープニング主題歌:宇宙戦艦ヤマト
<作曲 - 宮川泰 / 編曲 - 宮川泰 / 作詞 - 阿久悠 / 歌 - ささきいさお>

挿入歌:ヤマト!!新たなる旅立ち
<作編曲 - 宮川泰 / 作詞 - 阿久悠 / 歌 - ささきいさお / コーラス - フィーリング・フリー>

挿入歌:別離
<作編曲 - 宮川泰 / 作詞 - 和田順子、山口洋子 / 歌 - 堀江美都子>

エンディング主題歌:愛は今も光
<作編曲 - 宮川彬良 / 作詞 - 森雪之丞 / 歌 - 平原綾香>

 

― 本作も『宇宙戦艦ヤマト2199』『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』音楽の要素を引き継ぎ、リメイクシリーズとして“一環”したものが、新たに描かれたこと。これはオリジナルシリーズには無かった特徴でもあり、リメイクシリーズにおける音楽の在り方が色づいてきたとも言えるでしょう。更に羽田健太郎氏の代名詞とも言えるピアノコンチェルトの要素を取り入れた「ゴルバ、その姿」(自動惑星ゴルバ)のピアノを宮川彬良氏のご息女である宮川知子氏が務めたことは今後を踏まえてもターニングポイントになることでしょう。
本作の音楽は、「『宇宙戦艦ヤマト2199』音楽の再録」と「原作『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』の音楽を聴音して再録した楽曲」、「原作『宇宙戦艦ヤマトⅢ』の音楽を聴音して再録した楽曲」、「原作『ヤマトよ永遠に』の音楽を聴音して再録した楽曲」、「本作の為の新曲」という大きな5本柱となっており、非常にバラエティ豊かなものとなっています。

 音楽収録において、当時コロナ禍という非常に困難な状況下でありましたが、ヤマトらしさである“同時録音”というこれまでも行ってきた方式へ工夫を取り入れながら踏襲し、それを感じさせないそのサウンドは背後にある計り知れない努力の賜物でしょう。
音楽という要素が、本当に必要なのか?ということに対する一種の狼煙にも成り得る本作の音楽は、ここで敢えて意義を問い質したとも言えます。それはリメイクシリーズにおける「虚空の邂逅」に対する「サンクテル」であり「真実のイスカンダル」が音楽的な面で代表的に取り上げられるものでしょう。先述した一環、そして一体感が音楽にとって1つに大切な要素であるか?を体現しているとも言えるのではないでしょうか。

 本作のオープニング主題歌となった「宇宙戦艦ヤマト」は、当時(1974年)のマルチトラックテープから新たにリミックスが施され、より色鮮やかに。エンディング主題歌においては宮川彬良氏が担当することになり、物語との親和性も深い「愛は今も光」が作品を大いに盛り立てました。
全8話という特殊かつ、短期的であったからこそ成し得た、或いはあの頃だったからこそできた本作の音楽は実に興味深い側面もあり、語り継ぎたいものがここにあるような気がします。


Copyright © 2012 ヤマト音楽集.

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