ストーリー

 

 ガミラスや白色彗星帝国、そして自動惑星ゴルバとの戦いを終えて、地球は平和な営みを取り戻していたかのように見えた。
突然、異様な形をした巨大な物体が銀河系の外、大宇宙の彼方から太陽系へと接近しつあった。


 時に西暦2202年、謎の真っ赤な閃光を放ちながら巨大な物体が地球へと向かってきた。
地球の反撃も虚しく、巨大な物体は地表へ足を伸ばし、正体不明の降下兵による奇襲、そして掃討三脚戦車をはじめとした戦車群により、静かなる侵略を受け、地球はみるみるうちに制圧されてゆく…
その絶望的な状況下、英雄の丘へ集い揃った古代たちは命令書の元、小惑星イカロスにいる真田と連絡を取った。
「あるんだよヤマトが!」
それは唯一の希望であった。ヤマトへ、ヤマトへと気持ちは急ぐ。
ユキの提案の元、地球防衛軍司令部の地下の秘密ターミナルにある大統領避難用の高速連絡艇でイカロスへと向かうも、地球脱出の最中ユキは負傷し、地球へのこされてしまう…


 イカロスへ辿り着いた古代たちを待っていたのは、真田と密かに改修を進めていた新たなヤマトの姿であった。
ヤマトへ乗り込んで間もない頃、古代たちは藤堂長官より巨大な物体の正体を知らされた。それは、地球の国土を何ら破壊することなく、一瞬で全人類の脳細胞を壊し、死滅させることが出来るという重核子爆弾だった。
重核子爆弾の起爆装置を解除すべく、敵(暗黒星団帝国)の母星がある乙女座宙域の暗黒星雲の彼方へ、ヤマトは未知なる空間へと進み出した!!


愛するユキを地球にのこして…


作品概況

 1980年8月2日に劇場用作品として上映された『ヤマトよ永遠に』は、物語中盤から画面サイズ(ビスタビジョンサイズ→シネマスコープサイズ)と音響(モノラル→4chサラウンド)が変わる通称“ワープ・ディメンション方式”を採用し、物語と共に話題作となった。
通称:「永遠に」「ヤマ永遠」等

上映に先立ち、1980年6月7日に4時間に渡る生ラジオドラマとして『オールナイトニッポン・ラジオドラマ ヤマトよ永遠に』が放送された。

尚、『ヤマトよ永遠に』の音声には大きく分けて“モノラル”と“ステレオ”の2ヴァージョンが存在しているが、劇場公開時の音声(ワープ・ディメンション後は光学トラック音声より採用している)は前者の“モノラル”、後者の“ステレオ”は後に新規製作された音声である。劇場公開時のワープ・ディメンション方式の音声は現時点では商品化されていない。


 本作『ヤマトよ永遠に』は、前作『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』の続編となる。本作の続編は『宇宙戦艦ヤマトⅢ』


音楽概況

作曲:宮川泰、宮川彬良

編曲:宮川泰

指揮:熊谷弘、宮川泰

音響監督:田代敦巳

演奏:シンフォニック・オーケストラ・ヤマト

収録:1978年

収録曲数:約150曲

エンディング主題歌:愛よその日まで
<作曲 - 布施明 / 編曲 - 宮川泰 / 作詞 - 阿久悠 / 歌 - 布施明>

挿入歌:星のペンダント
<作編曲 - 宮川泰 / 作詞 - 阿久悠 / 歌 - ささきいさお>

挿入歌:愛の生命
<作曲 - 浜田金吾 / 編曲 - 戸塚修 / 作詞 - 山口洋子 / 歌 - 岩崎宏美>

挿入歌:銀河伝説
<作曲 - 宮川泰 / 編曲 - 川口真 / 作詞 - 阿久悠 / 歌 - 岩崎宏美>

イメージソング:おもかげ星
<作編曲 - 宮川泰 / 作詞 - 山口洋子 / 歌 - 堀江美都子>

挿入歌(未使用):銀河伝説
<作編曲 - 宮川泰 / 作詞 - 阿久悠 / 歌 - 布施明>

 

― 前作と共通の敵である事もあり、再び電子楽器のシンセサイザーをフィーチャーしています。また、それだけに留まらず「新宇宙」や「二重銀河」、「新銀河誕生」等でのコーラスによる壮大な音楽、スキャットには新たに伊集加代子氏を採用し、更なる音楽の進化を聴かせてくれます。
音楽の進化に付随してプロオーケストラであるNHK交響楽団から奏者を起用しているのも興味深い点で、スタジオミュージシャンと共に見事に素晴らしい音楽を創っています。この作品から心情曲を中心にギター、ピアノ、ヴァイオリンのソリストによる音楽という様式も採られ、ヤマト音楽の幅が広がったキー作品と言えます。
主題歌・挿入歌の数が多いのも特徴的です。特に興味深いのが「銀河伝説」は2ヴァージョン創られており、歌唱者はもちろんの事ながら、編曲者による違いも聴ける面白い1曲でしょう。

 本作でも“音楽集”が作られましたが、これまでと異なり上映前後に計2枚もの音楽集が発売されました。上映前に発売された『ヤマトよ永遠に 音楽集 Part1』はテーマ曲集、『ヤマトよ永遠に 音楽集 Part2』は音楽集用の収録曲含めた従来の音楽集といった形です。本編用に収録された音楽が音楽集においても数多く収録されている様はまさに威風堂々、音楽性がより高まった事を証明しています。


Copyright © 2012 ヤマト音楽集.

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