宇宙戦艦ヤマト2199 音楽メディア
・企画盤
音楽/BGM類
○概況と解説
本盤は1974年放送の『宇宙戦艦ヤマト』(以下、『ヤマト』)のリメイク作品『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下、『ヤマト2199』)のオリジナル・サウンドトラックCDの第1弾で、『「宇宙戦艦ヤマト2199」主題歌 宇宙戦艦ヤマト/真赤なスカーフ』(2012年4月25日発売〈LACM-4921〉)、『「宇宙戦艦ヤマト2199」第一章/第二章エンディングテーマ 星が永遠を照らしてる/美しい地球を知る者よ』(2012年6月27日発売〈LACM-4928〉)に次ぐ『ヤマト2199』音楽関連で3番目の商品化だ。2012年10月13日からイベント上映された第7話~第10話にあたる第三章「果てしなき航海」上映後の2012年11月7日に発売された。
長らく廃盤となっていた『ETERNAL EDITION』CDシリーズが2012年2月15日に再発売、またオリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの『宇宙戦艦ヤマト 完結編』(1983年)まで、収録されたBGMなどを年代順に復刻する『YAMATO SOUND ALMANAC』シリーズがBlu-specCDにて2012年7月18日に発売開始されており、しばらく入手困難であったオリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズのヤマトサウンドが、手軽に入手できるようになった。加えて本盤の発売により、オリジナル・新作両方のヤマトサウンドを楽しめる環境となった。
音楽担当は、オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズ(1974年~1983年)の音楽を手掛けていた故・宮川泰氏のご子息の宮川彬良氏。宮川泰氏が作・編曲した『ヤマト』の音楽をベースとして、オーケストラにて新録音された。その演奏も、宮川彬良氏の持っているオリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの作品イメージの表現方法として、アナログさを残す為、多重録音で使用されるメトロノーム等の電子的補助を極力無くし、基本的に同時録音で行われた。本盤は、宮川彬良氏が『ヤマト』の楽曲の楽譜を改めて起こした楽曲と、本作のために作った新たな楽曲を加えた全43曲という豪華なラインナップだ(主題歌・第一・二章ED曲の3曲を除く)。また、宮川彬良氏は「最初のヤマトをやりたい」というスタッフの意向と、この作品に最大限の敬意を払う制作スタッフの「志」を受け、依頼を快諾したとコメントしている。
“38年の時を越え、現代に蘇るオリジナル・ヤマト・サウンド! 宮川彬良書き下ろし新規劇伴も多数収録!”その帯タイトルの文字通り、本盤に収録されている曲、全43曲中『ヤマト』の曲は、29曲。宮川彬良氏が『ヤマト2199』の為に、新たに作・編曲した楽曲が12曲と約7割がオリジナル曲、約3割が新曲となっており、『ヤマト』の曲が多くを占めている。
『ヤマト2199』全26話の中で、本盤に収録されている曲の使用は、延べ約190曲。全26話使用楽曲数の約320曲中の約6割を占める。特に『ヤマト』のストーリーをほぼ踏襲している第一・二章での使用楽曲については、第一章(第1・2話)使用楽曲、19曲中の16曲は本盤に収録されている曲が使用され、使用楽曲内のオリジナル曲は15曲、新曲は4曲使用されている。また、第二章(第3~6話)においても、使用楽曲中の約8割は、本盤に収録されている曲が使用され、使用楽曲数31曲中、オリジナル曲は24曲、新曲は7曲と使用が少ないが、それでも強く印象に残っているのは、新曲もオリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズと同様に映像シーンとBGMで、素晴らしい相乗効果を生んでいる事を裏付けている。そしてまた、本盤にはほぼ劇中使用曲順に、BGMが収録されている。
以上の使用状況からも、本盤収録曲は『ヤマト2199』音楽の世界を網羅し、ヤマト音楽を知る上でも、重要なアルバムとなっており、オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズからのファンのみならず、『ヤマト2199』からファンになった方、ヤマト音楽に興味のある方には、ヤマト音楽を知る上での入門的な1枚と言え、是非1度手に取って聴いて頂きたい1枚である。
CD付属のブックレット等によると、『ヤマト2199』音楽の特長は‘オリジナル音楽の忠実な再現’と‘オリジナルにはない新しい音楽’の2つ。
1つめの‘オリジナル音楽の忠実な再現’は『ヤマト』に使用され、作曲された楽譜が完全な形で現存していないこと、当時のBGMはモノラル録音であった事から、現在の作品作りにそぐわず、耳コピで本作用の楽譜を2か月かけて起こしたもの。宮川彬良氏にとってこの耳コピ作業は父親の作った音楽を分析することであり、この作業を通してヤマト音楽に共通する大きなテーマを感じ取ったとのこと。それは‘歌心’=‘メロディが太くながいもの’であり、宮川彬良氏の作る新しいヤマト音楽の礎となっている。そのためオリジナルのヤマト音楽と新作のヤマト音楽とが違和感なく融合し、素晴らしい『ヤマト2199』の音楽を形成している。
再現されたオリジナル曲の数々は文字通り忠実な再現となっており、オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの劇場版をはじめ、2010年公開の『SPACE BATTLESHIP ヤマト』まで使用されている大メロディー「無限に広がる大宇宙」(Tr.08)(通称:宇宙のお葬式)、第1話ラストシーンで流れる「夕日に眠るヤマト」(Tr.11)、爆炎の中から姿を現し、ヤマトが赤い地球から飛び立っていく姿の映像シーンが目に浮かぶ「地球を飛び立つヤマト」(Tr.17)、第三章ヤマトークにて出渕裕総監督・宮川彬良氏両名が、好きな1曲として挙げていた「月のクレーター」(Tr.19、28)、その他にも『ヤマト』の名シーンと共に記憶に残るBGMが『ヤマト2199』に於いても『ヤマト』とほぼ同じ映像シーンでそのまま使用されている。
2つめの宮川彬良氏から生み出された新しいBGMの数々は『ヤマト』の音楽を彷彿させる様な創りでありながら、新たな音楽的テーマを付加している点が特長。オリジナル作品にはない新たな映像シーン、また、オリジナルBGMの補完的に曲がつくられており、新たな映像シーンを盛り上げる役割はもちろんのこと、ヤマト音楽がこれまで重視して来たモチーフの展開による表現の豊かさがあり、充実した新BGMとなっている。
宮川彬良氏が、士官学校の校歌を作る気持ちで作曲したという「銀河航路」(Tr.37、38)、チーフディレクターの榎本明弘氏のオーダーにより、ワンダバが入れられた「コスモタイガー(Wan・Dah・Bah)」(Tr.31)、出渕裕総監督から「乗組員の心情を表現する青年たちの群像劇のテーマ曲が欲しい」と言うオーダーから誕生した「大志」(Tr.23)は、『宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.2』〈LACA-15302〉の「大志(若者よ大志を抱け)」、『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟 オリジナル・サウンドトラック』〈COXC-1106/LACA-15492〉では「想い」、そして『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』ED曲「Great Harmony~for yamato2199」のラストにメロディーが挿入され、物語だけでなく、音楽としてもそのモチーフの変奏曲としての新たな感動を与えてくれた。
また、「永遠に讃えよ我が光 (ガミラス国歌)」(Tr.40、41)についても、ガミラス側のテーマ曲として、そのモチーフがアレンジされ「独裁者の苦悩」(Tr.44、45)等、『ヤマト』には少なかったガミラス側の曲が厚みを増し、地球側“宇宙戦艦ヤマト”=ガミラス側“永遠に讃えよ我が光 (ガミラス国歌)”の方程式を成り立たせている。
そして新曲の1つである「ヤマト渦中へ」(Tr.21)(通称:ブンチャカ・ヤマト)は、主題歌「宇宙戦艦ヤマト」のモチーフを使った新たな変奏曲である。オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズでも数々の主題歌「宇宙戦艦ヤマト」のモチーフを使用したBGMが存在したが、この曲もシリーズ後半では「帝都防衛戦(「ヤマト渦中へ」バリエーション)」(『宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.3』〈LACA-15336〉に収録)そして、劇場版『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』でも「降下するヤマト」「大決戦-ヤマト・ガミラス・ガトランティス-」(『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟 オリジナル・サウンドトラック』に収録)と、アレンジ曲が誕生し、主題歌「宇宙戦艦ヤマト」のモチーフを使った新たな変奏曲として、『ヤマト2199』の新たな映像シーンに効果的に使用されている。
それは宮川彬良氏が“宮川泰氏が作り上げた『宇宙戦艦ヤマト』の音楽の世界を崩さない”“歌心”の2つを忠実に具現化し、『ヤマト2199』の作曲に対する意気込みが充実した“ヤマト音楽”を誕生させている事に、ほかならない。
2012年8月24日に「宇宙戦艦ヤマト2199 公式サイト」と「ヤマトクルー」の両ホームページにて、“『宇宙戦艦ヤマト2199』オリジナル・サウンドトラック第一弾、リリース決定!!”と本盤の発売日・価格が発表され、アルバム内容は“旧作リアレンジ音源、新規作曲音源の中から抜粋して収録予定”と発表があり、『ヤマト2199』第三章「果てしなき航海」のパンフレットにて本盤の発売発表と共に一部の収録曲が告知された。
その後、2012年10月26日に公式ホームページにて正式アルバムタイトル・収録曲が発表され、2012年11月7日にランティスから本盤が発売された。
2013年12月4日からはmore、iTunes、レコチョク等にてデジタル配信されている。
本盤が発売された約2週間後の11月25日『題名のない音楽会』(テレビ朝日)にて「日本の巨匠⑤‘宮川泰’特集」が放送。宮川彬良、ささきいさお両氏が出演し、宮川彬良氏が『宇宙戦艦ヤマト』の音楽の特徴を分析・解説している。その他『ヤマト2199』の音楽担当をしていること、宮川泰氏が作・編曲した『ヤマト2199』の楽曲を耳コピで譜面化したこと・ヤマト音楽が長年に渡り、支持されている理由等を語っている。尚、番組内では「ヤマトのボレロ」「夕日に眠るヤマト」「哀しみのヤマト」「悲愴なヤマト」「ブラックタイガー」「無限に広がる大宇宙」が演奏され、演奏楽曲の解説を宮川彬良氏本人が行っている。
更に2014年11月16日同番組「新生・大阪市音楽団」特集内で、「ヤマト渦中へ」「コスモタイガー(Wan・Dah・Bah)」が演奏されている。尚、「コスモタイガー(Wan・Dah・Bah)」は、ワンダバなしでの演奏となった。
本盤発売後の2013年3月27日『ヤマト2199』2枚のアルバムとして、日本コロムビアより2012年11月10日に開催されたコンサートアルバム『宇宙戦艦ヤマト2199 ヤマト音楽団大式典2012』〈COCX-37867〉が発売された。
余談であるが「探索機発進(Bタイプ)」(Tr.27)、「コスモタイガー(Wan・Dah・Bah)」(Tr.31)、「デスラー登場(Tr.32)」、「探索機(Tr.35)」の4曲は、『ヤマト2199』全26話内で使用されていない。
宮川彬良氏によって、新たに生み出された楽曲の根底にあるものは“歌心”だけでなく、宮川泰氏が生前に残されている“時代を超えて、人の心に残っていく音楽は、明るく・楽しくて・覚えやすいもの”と言う言葉をも、忠実に継承くれたのだと思う。
その宮川彬良氏の手によって、蘇った“オリジナルのヤマト音楽”と新たに生み出された“新しいヤマト音楽”が収められている本盤は、ヤマト音楽の歴史のはじまりと新たな展開を感じる事が出来る1枚となっており、まだヤマト音楽を聴いた事がない方、『ヤマト2199』から“宇宙戦艦ヤマト”という作品を知った方には、是非この 『宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.1』から、ロマンあふれるヤマト音楽の素晴らしさに触れて欲しい。
○EX解説
本アルバムは『宇宙戦艦ヤマト2199』音楽の入門盤として、またヤマト音楽の入門盤としても、もってこいの1枚である。
上記解説にて触れられているように『宇宙戦艦ヤマト2199』全26話の使用楽曲数、約320曲の約6割を占めており、より「聞いた事がある」と納得出来るだろう。中でも第3話で初使用され、その後も多く使用された「ヤマト渦中へ」(Tr.21)はその代表的楽曲だ。
そして入門盤としてもう1つ、ブックレット(解説書)にも注目してほしい。「ヤマト音楽対談」と題して、音楽を担当された宮川彬良氏を含めた紹介解説が載っている。
どんな思いで宮川彬良氏が音楽を担当されたのか?『宇宙戦艦ヤマト2199』・『宇宙戦艦ヤマト』の音楽とは?Nナンバーとは?そして、宮川彬良氏のセンセーショナルだった2曲とは?等―
ブックレットや当ページの解説を読んで、聴いていただければより面白く、より深く楽しむ事が出来ると思う。
○メディア/発売日/型番
CD 2012年11月07日(LACA-15248)
配信 2013年12月04日(LACA-15248)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | 宇宙戦艦ヤマト(Short Size) | 01′33" |
02 | ヤマト前進 | 01′13" |
03 | 絶体絶命 | 00′51" |
04 | ファースト・コンタクト | 01′46" |
05 | イスカンダルの女 | 00′57" |
06 | 悲愴なヤマト(弦) | 01′43" |
07 | 銀河航路 BG | 01′27" |
08 | 無限に広がる大宇宙 | 01′39" |
09 | 哀しみのヤマト | 02′05" |
10 | 探索機発進 | 01′06" |
11 | 夕日に眠るヤマト | 01′23" |
12 | サスペンスB | 00′50" |
13 | ヤマトのボレロ | 00′57" |
14 | 哀しみのBG | 01′36" |
15 | 哀しみのヤマト/【哀しみのヤマト(オーボエのみ)】 | 00′51" |
16 | 大河ヤマトのテーマ | 01′31" |
17 | 地球を飛び立つヤマト | 02′24" |
18 | 星が永遠を照らしてる(Short Size) | 01′39" |
19 | 月のクレーター(リズム入り) | 01′12" |
20 | 敵宇宙船の出撃 | 01′03" |
21 | ヤマト渦中へ | 01′44" |
22 | 哀しみのスカーフ | 00′55" |
23 | 大志 | 01′02" |
24 | 宇宙の静寂 | 01′21" |
25 | 誰もいない街 | 00′37" |
26 | ブラックタイガー | 02′56" |
27 | 探索機発進(Bタイプ) | 00′34" |
28 | 月のクレーター | 00′27" |
29 | サスペンス(不信感) | 00′36" |
30 | 草原 | 01′05" |
31 | コスモタイガー(Wan・Dah・Bah) | 02′19" |
32 | デスラー登場 | 01′48" |
33 | 悲しいエンディング | 00′12" |
34 | 元祖ヤマトのテーマ | 01′58" |
35 | 探索機 | 01′05" |
36 | YRA ラジオヤマトのテーマ | 01′38" |
37 | 銀河航路(歌入り) | 01′50" |
38 | 銀河航路(歌無し) | 01′50" |
39 | ロマンス | 00′48" |
40 | ガミラス国歌「永遠に讃えよ我が光」(歌入り) | 01′50" |
41 | ガミラス国歌「永遠に讃えよ我が光」(歌無し) | 01′50" |
42 | 真赤な星のサスペンス | 00′38" |
43 | 星が見えた | 00′28" |
44 | 独裁者の苦悩 | 01′47" |
45 | 独裁者の苦悩(弦) | 01′44" |
46 | 美しい地球を知る者よ(Short Size) | 01′39" |
(Total: 62′27")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
本盤は2012年11月7日に発売された『宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.1』〈LACA-15248〉(以下、『「ヤマト2199」サントラ1』)に次ぐ『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下、『ヤマト2199』)シリーズのオリジナル・サウンドトラックCD第2弾だ。2013年6月15日からイベント上映された第19話~第22話にあたる第六章「到達!大マゼラン」上映中の201年6月26日に発売された。また、2013年4月7日より毎日放送TBS系列にてTV放送がスタートしており、同年6月23日に第12話「その果てにあるもの」まで放送されていた。本盤の発売まで約7か月のブランクがあったが、この間に2012年11月10日に開催された「宇宙戦艦ヤマト2199 ヤマト音楽団大式典2012」のコンサートパートを収録した『宇宙戦艦ヤマト2199 ヤマト音楽団大式典2012』〈COCX-37867〉(以下、『ヤマト2199大式典』)が日本コロムビアより2013年3月27日に発売されており、『ヤマト2199』音楽アルバムとしては3番目の商品化だ。また、本盤発売日にタブリエ・コミュニケーションズから『ドラマCD「YRAラジオヤマト」Vol.2』〈TBCD-0124〉が同時発売となっている。
翌月の7月24日には、『MV SERIES 宇宙戦艦ヤマト2199』〈COXC-1062/COBC-6481〉が発売され、同日『MV SERIES 宇宙戦艦ヤマト』〈COXC-1077/COBC-6557〉が29年振りにBlu-rayとDVDの両規格で再発売され、オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズからのヤマト音楽ファンにも嬉しい商品展開となった。また『YAMATO SOUND ALMANAC』シリーズが本盤の発売の約1ヶ月前の5月22日に、第3期として「1980-Ⅳ ヤマトよ永遠に BGM集」〈COCX-37394〉が発売され、7月24日には「1982-Ⅱ ギターが奏でるヤマト・ラプソディ」〈COCX-37400〉、「1982-Ⅲ ピアノが奏でるヤマト・ラプソディ 」〈COCX-37401〉、「1982-Ⅳ バイオリンが奏でるヤマト・ラプソディ」〈COCX-37402〉 の計4枚が発売された。『ヤマト2199』オリジナル・サウンドトラックCDの発売前後で、オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの音楽商品が次々に再発売され、CD・Blu-ray・DVDという現在の仕様に合わせ手軽に入手できるようになり、特に本盤発売時には5月~7月の毎月、音楽商品の発売が続きオリジナル・新作両方のヤマトサウンドを楽しめる環境が更に充実度を増した。
本盤も『「ヤマト2199」サントラ1』と同様、宮川泰氏が作・編曲した『宇宙戦艦ヤマト』(以下、『ヤマト』)の音楽をベースとして、宮川彬良氏が『ヤマト』音楽の楽譜を改めて起こした楽曲と、本作のために作った新たな楽曲を加えた全40曲というラインナップだ(主題歌・第三~五章ED曲の4曲を除く)。『宇宙戦艦ヤマト2199 Blu-rayBOX(特装限定版)』(2017年1月27日発売)の映像特典やCD付属のブックレット等によると本盤は、主に第三章~第五章から使用された楽曲が収録されており、収録楽曲の特徴は前半が音楽、後半がコード・ブリッジ集という構成になっている。“戦いは激化する!「宇宙戦艦ヤマト2199」のサウンドを余すところなく収録したサウンドトラック第2弾!”と、その帯タイトルの文字通り本盤に収録されている曲の全40曲中25曲は楽曲、コード・ブリッジが15曲と、「ヤマトサウンドを余すところなく」収録されており、『ヤマト』のオリジナル楽曲は9曲、宮川彬良氏が新たに作・編曲した楽曲が15曲となっている。“宇宙戦艦ヤマト”という作品はオリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズからコード・ブリッジ、効果音までも音楽と密接して大きな役割と魅力を持っているため、短いコードをも収録してくれるのはファンとしては嬉しい内容であり、イベント上映中恒例であった「たっぷりヤマトーク」内でコード・ブリッジを収録されている事を知った出渕裕総監督は「そこまで、アルバムに入れるの?」と笑いながら驚いていたことを記憶している。そして第三章以降の本編は『ヤマト』の流れを踏襲しつつ、『ヤマト2199』のオリジナルストーリーが展開され、その展開に合わせるように『「ヤマト2199」サントラ1』と比較すると新曲の収録楽曲が多くなっている。
『ヤマト2199』全26話の中で、本盤に収録されている曲の使用は延べ約42曲。全26話使用楽曲数の約320曲中の約2割弱と『「ヤマト2199」サントラ1』に比べ、収録楽曲の使用回数は少ない。これは特定の本編での使用となっているためであり、本盤収録曲は使用頻度の高い『「ヤマト2199」サントラ1』の収録楽曲の補完的な部分と、特定シーンの為だけに依頼され作曲された曲が収録されており、収録曲の使用役割が異っているためである。また、本盤収録とは別バージョンで劇中で使用されている楽曲が多いことも、本盤のもう一つの特徴と言える。『ヤマト2199』の音楽の特長についての詳細は『「ヤマト2199」サントラ1』のアルバム内容にて触れているので、参考にして頂きたい。本盤で収録されている新曲の「時計仕掛けの虜囚」(Tr.02)と「魔女はささやく」(Tr.14、15、16)はオリジナル作品にはない新たな映像シーンの為に作・編曲されている。オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズからのヤマト音楽の流れとして、これまでなかった云わば“ヤマトらしくない”曲であるが、ヤマトの新たなストーリー展開と同時にヤマト音楽の幅を拡げた曲であると言える。それはメロディを聞くとそのストーリーを思い出すようなオリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに通じる強い印象的な曲となっている。「時計仕掛けの虜囚」(Tr.02)は、第9話「時計仕掛けの虜囚」のサブタイトルが曲タイトルとなっており、この本編の為だけに使用するべく出渕裕総監督が宮川彬良氏に依頼した曲の1つで、宮川彬良氏は曲作りをするに当たり、事前にシナリオ・絵コンテを確認し、作・編曲した曲である。また、「魔女はささやく」(Tr.14)も、第14話「魔女はささやく」のサブタイトルが曲タイトルとなっており、ピアノの音色と、ささやくように歌う女性の声が絡み合っている摩訶不思議な曲であり、ガミラスがヤマト乗組員に幻覚を仕掛けた異様な雰囲気を表現している曲。この曲で不可解な歌を歌っているのは、ヴォイス・パフォーマーの橋本一子氏。あのつぶやきはアドリブで、2回同じ歌詞では歌えないそうだ。この曲は第14話「魔女はささやく」のみの使用となっており、「魔女はささやく(歌)」(Tr.15)と「魔女はささやく (呟き)」(Tr.16)といったアレンジ曲がある。2曲とも両本編の為だけに作曲を依頼するという、贅沢な曲作りと楽曲の使い方もヤマトらしいところである。尚、「時計仕掛けの虜囚」(Tr.02)は第25話「終わりなき戦い」で、ヤマトに救助されたセレステラが森雪に自身の心情を語るシーンでも使用されている。
その他に、モチーフの展開では『ヤマト2199』新曲の「永遠に讃えよ我が光(ガミラス国歌)」のアレンジ曲である「ガミラス次元潜航艦」(Tr.12、13)、「ガミラス 暗躍する陰」(Tr.19)と『「ヤマト2199」サントラ1』に収録されている「大志」のアレンジ曲である「大志(若者よ大志を抱け)」(Tr.23)の3曲と「宇宙戦艦ヤマト」のモチーフを使用した「日常」(Tr.09)の1曲がある。本編で登場するメカがそのまま曲名になっている「ガミラス次元潜航艦」(Tr.12)は、曲のイントロが異次元に潜航艦が潜航し、静かにそして不気味に迫り行く様(さま)が表現されている。この曲のアレンジ曲として「ガミラス次元潜航艦(ティンパニ)」(Tr.13)も収録されている。また『2199』で新たに描かれているガミラス内部の政治・人間関係の不穏な空気を表現している「ガミラス 暗躍する陰」(Tr.19)は、第19話「彼らは来た」で親衛隊に拘束されるヘルダー中佐を発見したメルダのシーンで使用されており、『「ヤマト2199」サントラ1』でも触れたようにガミラス側の曲への“厚み”を増している。そして「宇宙戦艦ヤマト」のモチーフを使用した「日常」(Tr.09)はボサノバ風にアレンジされた曲であり、「宇宙戦艦ヤマト」のメロディをアレンジしつつ、“ヤマト”らしさを失わずに奏でた、艦内で日常生活を過ごす乗組員のイメージ曲となっている。
また、本盤ではオリジナル楽曲として『「ヤマト2199」サントラ1』では収録が外れており、本盤発売まで『ヤマト2199大式典』のライヴ録音盤でしか聴くことのできなかった『ヤマト』の名曲「艦隊集結」(Tr.03)、「美しい大海を渡る」(Tr.20)、そして「白色彗星(Disco)」(Tr.04)等が収録されている。「艦隊集結」(Tr.03)は、第四章「銀河辺境の攻防」のPVでも、次元潜航艦をバックにメインタイトルが現れるカットで使用されている。未見の方はこちらも是非、一度ご覧いただきたい。因みに『ヤマト』でこの曲が一番最初に使用されたのは第2話「号砲一発!!宇宙戦艦ヤマト始動!!」で、朽ち果てた戦艦大和からヤマトが初めて姿を現すシーンで使用されている。(尚、『ヤマト2199』では同シーンで「大河ヤマトのテーマ」が使用されている。)「美しい大海を渡る」(Tr.20)(別名:イスカンダル)は、アレンジ曲として「美しい大海を渡る(悲しい)」(Tr.21)、「美しい大海を渡る(弦)」(Tr.22)が収録されている。そしてオリジナルでは『宇宙戦艦ヤマト2』(1978年放送)で使用された「白色彗星(Disco )」(Tr.04)は、第11話「いつか見た世界」の冒頭シーンに使用するために収録された楽曲であり、『ヤマト2199』の本編に新たな展開の驚きを倍増させた1曲である。この楽曲のオリジナルは『不滅の宇宙戦艦ヤマト ニュー・ディスコ・アレンジ』〈COCX-37387〉に収録されており、『宇宙戦艦ヤマト2』の第20話「ヤマト・奇襲に賭けろ!」等で使用されている。
その他にもオリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズからのファンの方で、主題歌「宇宙戦艦ヤマト」よりもこの曲が好きな方も多いであろう「真赤なスカーフ」のモチーフを展開した「ハーモニカ(真赤なスカーフ)」(Tr.10、11)や、まだ聴いた事のない方に是非聴いて頂きたい『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』〈COCX-37382〉の「序曲」の最初のメロディでもある「サスペンスA」(Tr.17)。コード・ブリッジは、『ヤマト』では本編Aパートの終わりに複数回使用されていたが『ヤマト2199』では「コードD」(Tr.27)しか使用されていない。
『ヤマト2199』では、ヤマト・地球側がメインになる映像シーンでヤマト側に作られた曲を使用し、ガミラス側がメインになる場合はガミラスの曲と区別して使用されている。これも『2199』での音楽の拘りの一つだろう。また、本盤の収録曲は本編使用が少ない曲が多いが、収録されているオリジナル楽曲・新曲共に、宮川彬良氏の作曲の意気込みとスタッフの効果的な楽曲使用がオリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズと同様に映像と楽曲がシーンとのシンクロするに充分な力を持ち、強い印象を与え『「ヤマト2199」サントラ1』に劣らない、聴きどころ満載のアルバムとなっている。
収録楽曲以外にも本盤のアルバムジャケットに注目して頂きたい。ジャケットスペースを余すところなく、銀河系を背に各砲塔が迫りくるガミラス艦隊に各個照準を定めようとしている様(さま)を第一砲塔甲板付近から艦橋を見上げている迫力ある構図である。オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの音楽集をはじめ、ヤマト艦体をクローズアップしたジャケットは本盤が初めてであろう(スリーブ除く)。ヤマトの構造美の象徴の一つともいえる艦橋の迫力ある構図のジャケット…、是非手元に置いておきたい1枚である。
2013年4月25日に「宇宙戦艦ヤマト2199 公式サイト」で、本盤の発売日と価格・品番が発表され、2013年4月19日より「ヤマトクルー」にて本盤の予約販売を開始した。また、『ヤマト2199』第五章「望郷の銀河間空間」のパンフレットでは本盤の2013年5月29日発売告知と品番のみ掲載された。その後、第六章「到達!大マゼラン」のパンフレットにて本盤の発売日と共に収録曲が告知され、『宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.3』〈LACA-15336〉の発売告知も掲載された。デジタル配信は2013年6月26日からiTunesにて、2014年4月23日からはmoreにて開始される。
2013年5月17日に株式会社ランティスから、本盤が制作上の都合により2013年6月26日に発売延期の告知がされた。
「艦隊集結」(Tr.03)、「美しい大海を渡る」(Tr.20)の2つの名曲誕生には、西崎義展プロデューサーからの依頼によって作曲されたという共通する逸話がある。「艦隊集結」(Tr.03)は「別名 ベン・ハー・ヤマト」とも呼ばれている。『ベン・ハー』とは第32回アカデミー賞にて各賞を受賞したアメリカ映画の名作であり、そのテーマと似ていることからそう呼ばれている。「美しい大海を渡る」(Tr.20)については、宮川彬良氏が子供の頃この曲を聴いた際、「きれいな曲、美しいメロディ」と父(宮川泰氏)に話したが、「そうでもないよ」と謙遜したそうだ。その理由として西崎義展プロデューサーから「虹の彼方に」のような曲をという依頼に応え、似たような曲を作曲したからではないかと言われており、この話は『ヤマト2199大式典』で宮川彬良氏による楽曲の解説が収録されている。
余談だが、一部で「ヤマト前進」は『Uボート』のテーマ曲、本盤収録の「ガミラス次元潜航艦」(Tr.12)は『ジョーズ』のメイン・タイトル曲に似た曲調の為、同じようなイメージの曲をスタッフから依頼されて宮川彬良氏が作曲したのではないか?という話がある。しかしスタッフからそのような依頼をした事実はなく、宮川彬良氏が作曲した結果、似たような曲調になったようだ。
また、本盤に収録されている「時計仕掛けの虜囚」(Tr.02)、「美しい大海を渡る」(Tr.20)、「魔女はささやく」(Tr.14)と「白色彗星(Disco)」(Tr.04)はミックス(トラックダウン)違いが本編で使用されている。判りやすいところを挙げてみると、第11話「いつか見た世界」の冒頭で使用された「白色彗星(Disco)」(Tr.04)は、CD収録ものと聴き比べてみると主にエレキギターがカットされているのが判る。
ガトランティスや次元潜航艦など、オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズのキャラクターやメカニックが『ヤマト2199』で登場し、筆者にとって嬉しい想定外の展開が始まった。本盤もその本編と同じく新しい展開が始まり、『「ヤマト2199」サントラ1』でヤマト音楽に触れた方は是非、本盤も聴いて頂きたい。『ヤマト2199』の本編と同じく、ヤマト音楽の新たな展開をみせてくれた楽曲の数々と『ヤマト』から愛されている楽曲の数々が、まだまだ収録されているからだ。また、本盤でヤマト音楽に触れた方は是非『「ヤマト2199」サントラ1』も聴いて頂き、ヤマト音楽の歴史のはじまりと『ヤマト2199』から始まったヤマト音楽の新たな展開を感じて欲しい。
○EX解説
前アルバム(宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.1)を『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下、『ヤマト2199』)音楽の入門盤とするならば、本アルバムは『ヤマト2199』音楽の重要盤と言えよう。本編を観た方に例え説明するならば、バラン星な立ち位置である。・・・さて、何が重要盤なのか?バラン星なのか?これがパッとしてきたら、きっと手放せなくなるそんな1枚だ。
未使用曲が多く収録されている本アルバムであるが、これに醍醐味を感じてみるのもヤマト音楽の楽しみ方の1つである。先ほど話した通り重要盤であって、重要な音楽が収録されているからだ。宮川彬良氏によるヤマト音楽が新たな面を含め、多様に楽しめる。
CD付属のブックレット(解説書)内「ヤマト音楽対談」では、『ヤマト2199』の音響監督である吉田知弘氏について、また『ヤマト2199』の音についての紹介解説が載っている。
『ヤマト2199』の音響面での大きなポイントとは?吉田知弘氏の選曲スタンスとは?幸せな悩みとは?等―
前アルバムと同様、ブックレットとともに聴いていただければより面白く、より深く楽しむ事が出来ると思う。当ページの解説をも併せて読んでいただきたい。
余談であるが「ヨーソロー~星の海を越えて~(Short Size)」(Tr.44)は、フルサイズとは歌唱テイクが異なっている。
最後に、本アルバムについて『宇宙戦艦ヤマト2199』からヤマトを知ったという、せぶんさんより感想をいただいたので以下にご紹介したい。(原文ママ)
『『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』製作発表のニュースを見て『宇宙戦艦ヤマト2199』に興味を持ち、初めて観ました。そして第1話で効果音や音楽に惹かれ、その吸引力に導かれるように全話鑑賞し、気づいたらサントラに手を伸ばしていました。
Part.2のトラックリストを見た時に驚いたのは、「コード○○」や「ブリッジ○○」がたくさん入っていたことです。これはあの曲のやつだ!など、わくわくできるのが楽しいです。
そんなPart.2で、私が一番好きなのは「美しい大海を渡る」です。これはバージョン違いも含め、3パターン収録されています。ひたすら美しい曲です。大好きです。弦だけの「美しい大海を渡る(弦)」は、メロディーこそまったく同じなのに、なぜかとても物悲しく、そこが美しく、一番ロマンティックだと、個人的に思っています。また、「美しい大海を渡る」シリーズの次に「大志(若者よ大志を抱け)」という前向きな気持ちになれるような、五月の草原のような、そんなさわやかな曲が入っています。トランペットがヤマトのテーマを少しだけなぞっているのも、くぅう~~にくいぜ!となるので、おすすめです(笑)
今まで希望に満ち溢れた曲で、好きなものを語ってきたので、次はかっこいいものを語ります!まずは「艦隊集結」。冒頭のティンパニーからもう既にずるいと思います。強そう…と思わせる説得力、最高です。続きまして「ガミラス次元潜航艦」。某サメ映画かな、とも思わせる、低音域。そこに乗っかるトロンボーン。これ、Part.1のガミラス国歌じゃん!!とニンマリ。ひたすらかっこいいです。
Part.2には、少し不気味な曲が多数収録されています。「魔女はささやく」や「サスペンス」のシリーズ。やばい、ちょっと怖いかも、と思いながらも、最後まで聞けてしまうのが不思議です。さすがヤマト。
そしてなにより、「白色彗星(Disco)」や「ハーモニカ(真赤なスカーフ)」が入っているので、オリジナル版を知っている方々はさらに盛り上がれるのではないでしょうか。私はまだオリジナル版を1作も1話も見たことがないため、周囲の大人の話を聞いて、これらの曲がとても脳裏に焼き付いて離れないくらいのインパクトがあることを知りました。サントラ盤から、周囲の大人と繋がれるとは思いませんでした(笑)
それでは、「ニュース映画のテーマ」でお別れします。さようなら!
○メディア/発売日/型番
CD 2013年06月26日(LACA-15302)
配信 2013年06月26日(LACA-15302)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | 宇宙戦艦ヤマト(TV Size) | 01′22" |
02 | 時計仕掛けの虜囚 | 01′35" |
03 | 艦隊集結 | 01′24" |
04 | 白色彗星(Disco) | 04′22" |
05 | サスペンス(動揺) | 01′02" |
06 | ニュース映画のテーマ | 03′09" |
07 | ニュース映画のテーマ(弦) | 01′09" |
08 | 膠着する戦闘 | 01′14" |
09 | 日常 | 01′45" |
10 | ハーモニカ(真赤なスカーフ) | 00′58" |
11 | ハーモニカ(真赤なスカーフ)(響きなし) | 00′58" |
12 | ガミラス次元潜航艦 | 01′39" |
13 | ガミラス次元潜航艦(ティンパニ) | 01′35" |
14 | 魔女はささやく | 01′07" |
15 | 魔女はささやく(歌) | 01′22" |
16 | 魔女はささやく(呟き) | 01′22" |
17 | サスペンスA | 01′00" |
18 | サスペンス | 00′54" |
19 | ガミラス 暗躍する陰 | 01′05" |
20 | 美しい大海を渡る | 02′42" |
21 | 美しい大海を渡る(悲しい) | 01′41" |
22 | 美しい大海を渡る(弦) | 01′43" |
23 | 大志(若者よ大志を抱け) | 01′42" |
24 | コードA | 00′05" |
25 | コードB | 00′04" |
26 | コードC | 00′06" |
27 | コードD | 00′05" |
28 | コードE | 00′05" |
29 | コードF | 00′03" |
30 | コードG | 00′04" |
31 | ブリッジA | 00′11" |
32 | ブリッジB | 00′12" |
33 | ブリッジC | 00′08" |
34 | ブリッジD | 00′08" |
35 | ブリッジE | 00′07" |
36 | ショックBG(アタック) | 00′06" |
37 | ブラックタイガー(アタック) | 00′06" |
38 | 探索機発進(アタック) | 00′07" |
39 | リズムのみ4ビート | 01′32" |
40 | オルガンの明るい8ビート | 01′35" |
41 | 緊張感(ファンク) | 02′09" |
42 | 真赤なスカーフ(Short Size) | 01′39" |
43 | 記憶の光(Short Size) | 02′27" |
44 | ヨーソロー~星の海を越えて~(Short Size) | 01′42" |
(Total: 49′31")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
本盤は2013年8月24日~9月6日にイベント上映された第23話~第26話にあたる最終章第七章「そして艦は行く」の上映終了後、9月25日に『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下、『ヤマト2199』)シリーズのオリジナル・サウンドトラックCDの第3弾として発売された。また、2013年4月7日より毎日放送TBS系列にてスタートしたTV放送も、本盤発売前の同年9月22日に第25話「終わりなき戦い」まで放送されていた。本盤発売の4日後の9月29日には最終話である第26話「青い星の記憶」が放送され、2012年4月7日のイベント上映からスタートした『ヤマト2199』は幕を閉じようとしていた。尚、本盤発売の約2週間前の2013年9月11日にタブリエ・コミュニケーションズから『ドラマCD「YRAラジオヤマト」Vol.3』〈TBCD-0125〉が発売となっている。
2012年7月18日に発売開始されたオリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの『宇宙戦艦ヤマト』(以下、『ヤマト』)から『宇宙戦艦ヤマト 完結編』(1983年)まで収録されたBGMなどを年代順に復刻する『YAMATO SOUND ALMANAC』シリーズ(以下、『アルマナック』シリーズ)も、第3期第3弾として「1981-Ⅱ 宇宙戦艦ヤマトⅢ BGM集 Part1」〈COCX-37398〉、「1981-Ⅲ 宇宙戦艦ヤマトⅢ BGM集 Part2」〈COCX-37399〉、「1982-Ⅰ 宇宙戦艦ヤマト ファイナルへ向けての序曲」〈COCX-37403〉の3枚が2013年9月18日に発売され、オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの音楽集・BGM集(過去未収録曲含む)、また初CD化アルバムが発売になりCDフォーマットで全てコレクションできる環境が整ってきていたところだ。2013年9月は本盤、そして『アルマナック』シリーズの発売と、ヤマト音楽ファンには嬉しいひと月となった。
本盤も『宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.1』〈LACA-15248〉(以下、『「ヤマト2199」サントラ1』)、『宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.2』〈LACA-15302〉(以下、『「ヤマト2199」サントラ2』)と同様、宮川泰氏が作・編曲したオリジナル『ヤマト』の音楽をベースに宮川彬良氏が耳コピし、再録した楽曲と本作のために作った新たな楽曲を加えた全30曲というラインナップだ(第六章ED曲・TVオープニング曲の3曲を除く)。“ついに到達!第六、七章のための新曲を含む、「宇宙戦艦ヤマト2199」サウンド・トラック完結編!”の帯タイトルの文字通り、本盤収録楽曲の特徴として前半は『「ヤマト2199」サントラ2』までの未収録楽曲、後半は第六・七章を中心とした使用楽曲という構成になっており、『ヤマト』から再録した楽曲は内19曲、宮川彬良氏が新たに作・編曲した楽曲が内9曲、残る2曲はオリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズから再録した楽曲となっている。また、本盤ではオリジナル楽曲に宮川彬良氏がアレンジを加えて、新たに生まれ変わった楽曲が収録されていることも本盤のもう一つの特徴と言える。『ヤマト2199』音楽の特長については「宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.1(OS-06)」の項にて触れているので、参考にして頂きたい。
本盤に収録されている楽曲の使用は『ヤマト2199』全26話の中で延べ約40曲。全26話使用楽曲数の約320曲中の約1割と使用曲の回数は少ないが、最終章である第七章では使用楽曲の内約4割が本盤収録楽曲からとなっており、使用割合が高まっている。これはCD付属のブックレット等によると、最終話の絵コンテが完成する頃に「ラストシーンで使用する曲を新曲で作りたい」という出渕裕総監督の要望から作られた追加楽曲が収録されているからだ。『ヤマト2199』の物語を締め括るのに相応しいオリジナル曲の再現曲、新曲を含めた楽曲が収録されているアルバムとなっており、その代表楽曲がBGMとして最後に収録されている「地球の緑の丘(旅立ち~帰還、そして明日への希望)」(Tr.30)である。
「魔法で、パッと青い地球になるわけではなく、その間にはいろいろな人の努力やドラマがある。それを音楽で表現したかった」という出渕裕総監督の想いを音響監督の吉田知弘氏と音楽の宮川彬良氏が汲み取り、『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』〈COCX-37382〉に収録されている「HOPE FOR TOMORROW-明日への希望(夢・ロマン・冒険心)」を宮川彬良氏がアレンジした楽曲である。オリジナル楽曲のはじまりは「無限に広がる大宇宙」のメロディーだが、宮川彬良氏によってアレンジされた「地球の緑の丘(旅立ち~帰還、そして明日への希望)」(Tr.30)は、そのサブタイル通り「地球を飛び立つヤマト」のメロディーから曲がはじまり、ヤマトの長い航海を一曲にまとめられたような大団円にふさわしい楽曲となっている。それは出渕裕総監督からのラストシーンの緻密な心情・情景説明から選曲されアレンジされているためであり、この楽曲に合わせた画作りが行われた結果、『ヤマト2199』のラストシーンに相応しく映像と音楽がシンクロし、最高の相乗効果を生み出させている。オリジナル楽曲が収められている『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』〈COCX-37382〉のライナーノーツ(解説)で西崎義展プロデューサーは“この曲にはヤマトのテーマが込められている”として次のように語っている。「少年よ、ロマンを持ち、冒険心を持て、少女よ、愛を持ち、夢を持て、いつまでもそれを忘れることなかれ―」と。筆者は『ヤマト2199』におけるヤマトの旅の終わりが、この曲で幕が閉じられたのは『ヤマト2199』が単なるオリジナル『ヤマト』のリメイクではなく、オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズから『ヤマト2199』までの作品の世界観や出渕裕総監督をはじめとする製作スタッフの“宇宙戦艦ヤマト”に対する想いが込められているように思える。その他にも「デスラー襲撃」(Tr.17)や「大いなる愛(導く魂)」(Tr.27)と、オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの名曲が新たに収録されている。また「ワープ(Bタイプ)」(Tr.6)、「空母の整列」(Tr.16)、「哀しみ(沖田の死)」(Tr.29)等、ようやくアルバム収録されたオリジナル『ヤマト』の馴染み深いオリジナル再現曲も収録されている。
『「ヤマト2199」サントラ2』に続き、本盤のアルバムジャケットにも注目して頂きたい。月面上部を航行し、眼前の赤い地球へ長い航海を終えようとしている後方パースのヤマトである。ジャケット帯の“ついに到達!”の文字が旅を終えようとしているこのジャケットのタイトルのようにも見える。尚、本編での同シーンでは月面下部をヤマトが航行しており、ジャケット画と異なる。
第六章「到達!大マゼラン」のパンフレットにて『「ヤマト2199」サントラ2』の発売告知と併せ“宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.3発売決定!”と告知も掲載された。また第七章「そして艦はゆく」のパンフレットに“オリジナル・サウンドトラック第3弾、ついに到達! 第六章での使用楽曲に加え、第七章を彩る、宮川彬良氏による最新楽曲を収録。”と品番・価格に加え、2013年9月26日と発売告知がされていたが、収録楽曲は掲載されなかった。そして2013年9月11日に「宇宙戦艦ヤマト2199 公式サイト」にて本盤の発売日と価格・品番・収録楽曲が発表された。デジタル配信は2013年9月25日からiTunesにて、2014年4月23日からはmoreにて開始される。
発売日の2013年9月25日に株式会社ランティスより、本盤のブックレットおよびバックジャケットの印刷に誤りがあったとして対象製品の自主回収を行うと発表し、購入者への対応としてランティスにブックレットとバックジャケットを郵送すると9月下旬より正規のブックレットとバックジャケットの交換を行うというものであった。詳細については、下記EX解説にてまとめていただいたのでそちらを参考にしていただきたい。
2012年4月7日に放送されたNHK総合放送のMAGネット内の「宇宙戦艦ヤマト2199特集」で、『ヤマト2199』の劇伴収録風景が紹介されている。これは『ヤマト2199』唯一の劇伴収録風景の映像となっており、演奏曲は本盤収録の「ヤマト乗組員の行進」(Tr.02)と思われる。
2013年12月14日、ヤマハミュージック池袋店にて同店の50周年イベントで「ヤマハでヤマトーク」と題し、宮川彬良氏と同店店長によるヤマトーク、そして宮川彬良氏と東京音大生とヤマハミュージック池袋店スタッフにより演奏会が実施された。その演奏会でも追加楽曲収録について宮川彬良氏によりトークがされ、ストーリー展開を確認した上で音楽制作に入ったことをコメントしている。因みに演奏曲目は「無限に広がる大宇宙」、「地球を飛び立つヤマト」、「虚空の邂逅」等、宮川彬良氏のピアノ演奏を含めた全10曲である。トークと演奏会終了後、サイン会が実施された。
大本命である宮川彬良氏が『ヤマト2199』に参加していただいたことで蘇った数々のオリジナルヤマト音楽と新曲の展開は、喜びと納得感があった。さて、『ヤマト2199』ではじめてヤマト音楽に触れた方々は、ヤマト音楽をどのように感じられただろうか?これを機に40年以上前から愛され続けているオリジナルヤマト音楽の素晴らしさにも触れていただければ幸いである。
※一部内容が重複する点もあるが、本盤の制作背景及び楽曲解説については「MV SERIES 宇宙戦艦ヤマト2199 PART2(MV-07)」の項でも触れられているので、こちらも併せて確認して欲しい。
○EX解説
『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下、『ヤマト2199』)音楽の完結盤となる本アルバムは、まさしく『ヤマト2199』の完結を彩る楽曲が惜しみもなく収録されている1枚である。『宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.1』を入門盤、『宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.2』を重要盤として紹介したが、本アルバム無くして『ヤマト2199』音楽は完結しない!
しかし、ヤマト的にこの“完結”という文字は我々のイメージする完結とは異なるのは後に分かる話であるが、何よりまだまだ収録されていない楽曲が多くあるのも事実である。本編で使用されたトラックダウン(ミックス)違いの楽曲をはじめ、例えば第9話M-11「≪悲愴なヤマト(D-1)≫」や、第26話M-05「≪真赤なスカーフ BG(TM-2)≫」等だ。尚、数曲『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海 オリジナル・サウンドトラック」や「MV SERIES 宇宙戦艦ヤマト2199』、『MV SERIES 宇宙戦艦ヤマト2199 PART2』でのみ収録されている楽曲があるので、併せてチェックしてみてほしい。
本アルバムの白眉は何といっても、「孤高のデスラー」(Tr.18)~「地球の緑の丘(旅立ち~帰還、そして明日への希望)」(Tr.30)の第七章に向けて収録された新曲であろう。(一部は新録ではない)個人的に、木管とピアノによる悲しいメロディーから一転して高らかに大団円にて締めくくられる第23話の古代とユキの再会シーンを印象深く飾った「虚空の邂逅」(Tr.22)は、宮川彬良氏の新曲として特にお薦めしたい1曲だ。
CD付属のブックレット(解説書)内「ヤマト音楽対談」では、『ヤマト2199』の総監督である出渕裕氏による『ヤマト2199』の音楽についての解説や、本アルバムの注目ポイントである新録について載っている。
出渕裕氏が新曲を作ってよかったと語るその理由は?『ヤマト2199』に不可欠な音楽とは?音楽によるドラマの深まりとは?等―
これまでと同様、ブックレットとともに聴いていただければより面白く、より深く楽しむ事が出来ると思う。当ページの解説をも併せて読んでいただきたい。
本アルバムの初回生産分にはバックジャケットとブックレットに曲名の誤植があり、お手元のアルバムと当ページの曲名が異なる場合があるので、以下にまとめておく。
【バックジャケット 正誤一覧】
・Tr.03(誤)「哀しみのBG(真っ赤なスカーフ)」→(正)「哀しみのBG(真赤なスカーフ)」
・Tr.20(誤)「第2バレラス」→(正)「第二バレラス」
・Tr.24(誤)「翡水晶」→(正)「碧水晶」
・Tr.28(誤)「イスカンダルの過去」→(正)「眠れる想い」
・Tr.30(誤)「地球の緑の丘(旅立ち~明日への希望)」→(正)「地球の緑の丘(旅立ち~帰還、そして明日への希望)」
【ブックレット 正誤一覧】
・P08、07行目(誤)「永遠に讃えよわが光」→(正)「永遠に讃えよ我が光」
・P08、15行目(誤)「地球の緑の丘(旅立ち~帰還、明日への希望)」→(正)「地球の緑の丘(旅立ち~帰還、そして明日への希望)」
○メディア/発売日/型番
CD 2013年09月25日(LACA-15336)
配信 2013年09月25日(LACA-15336)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | 夕日に眠るヤマト(短い) | 00′35" |
02 | ヤマト乗組員の行進 | 01′21" |
03 | 哀しみのBG(真赤なスカーフ) | 01′12" |
04 | 太陽のサスペンス | 00′43" |
05 | ワープ | 00′46" |
06 | ワープ(Bタイプ) | 00′46" |
07 | さわやかに降る星 | 00′26" |
08 | ヤマト乗組員の行進(短い) | 00′21" |
09 | 絶体絶命(短い) | 00′10" |
10 | ヤマト大エンディング | 00′14" |
11 | 大エンディング(弦) | 00′13" |
12 | 大エンディング(弦なし) | 00′13" |
13 | サスペンス風エンディング | 00′15" |
14 | 無限に広がる大宇宙(弦なし) | 01′39" |
15 | 無限に広がる大宇宙(コーラスのみ) | 01′38" |
16 | 空母の整列 | 01′54" |
17 | デスラー襲撃 | 02′37" |
18 | 孤高のデスラー | 02′04" |
19 | 帝都防衛戦(「ヤマト渦中へ」バリエーション) | 01′27" |
20 | 第二バレラス | 01′43" |
21 | 崩れゆく総統府~希望 | 00′50" |
22 | 虚空の邂逅 | 01′55" |
23 | 虚空の邂逅(短い) | 01′29" |
24 | 碧水晶 | 02′00" |
25 | ショッキングなスカーフ | 00′38" |
26 | 哀しみのヤマト(オーボエのみ) | 00′50" |
27 | 大いなる愛(導く魂) | 01′22" |
28 | 眠れる想い | 01′01" |
29 | 哀しみ(沖田の死) | 01′34" |
30 | 地球の緑の丘(旅立ち~帰還、そして明日への希望) | 03′14" |
31 | R.I.P~友よ静かに眠れ~(Short Size) | 01′38" |
32 | 宇宙戦艦ヤマト(TVOP Short Size) | 01′30" |
33 | 宇宙戦艦ヤマト(TVOP Short fade-out Ver.) | 01′29" |
(Total: 39′47")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
本盤は2014年10月11日より全国31館順次イベント上映された特別総集編『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』(以下、『追憶の航海』)のサウンドトラック盤として劇場完全新作映画『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』(2014年12月6日公開)が公開中の同年12月24日に、日本コロムビアより発売された。また同日にはタブリエ・コミュニケーションズから『ドラマCD「YRAラジオヤマト」Vol.4』〈TBCD-0330〉が発売され、ヤマト音楽ファンにとっては2014年の嬉しいクリスマスプレゼントとなった。
『追憶の航海』は2012年4月からスタートした『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下、『ヤマト2199』)の宇宙戦艦ヤマトの旅を古代進視点から再構成し直した総集編であり、本編は小野大輔による古代進視点と桑島法子によるナレーションによりヤマトの旅が追想されていく。『ヤマト2199』の音声は2chステレオだったが、『追憶の航海』では5.1chサラウンドとなった。
この時の音楽関連商品展開では、2014年3月19日に『YAMATO SOUND ALMANAC』シリーズの「1984-Ⅰ 交響曲 宇宙戦艦ヤマト-ライブ録音-」〈COCX-37410〉、「1996-Ⅰ SOUND FANTASIA SERIES 宇宙戦艦ヤマト」〈COCX-37411~2〉の発売を以てシリーズ完結し、『MV SERIES』についても2014年11月19日発売の『MV SERIES さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』〈COXC-1076/COBC-6556〉を以て、『MV SERIES』のオリジナルヤマトシリーズの再販が終了した。一方『ヤマト2199』音楽関連商品は『MV SERIES 宇宙戦艦ヤマト2199 PART2』〈COXC-1073/COBC-6541〉が2014年2月26日に発売、同年8月27日には『「宇宙戦艦ヤマト2199」主題歌集』〈LACA-15443〉、同年12月3日は葉加瀬太郎氏演奏曲の『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』主題曲が収録されている『宇宙戦艦ヤマト2199 40th Anniversary ベストトラックイメージアルバム』〈HUCD-10172〉がHATS UNLIMITEDから発売され、ヤマト音楽ファンには見逃せない商品展開が続いた。
オリジナルヤマトシリーズから『ヤマト2199』までのヤマト音楽をCD・BD・DVDと現在のフォーマットで手軽に入手、楽しめる環境がほぼ整った。
正式タイトルは『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海 オリジナル・サウンドトラック 5.1ch サラウンド・エディション』(以下、『「追憶の航海」サントラ』)であり、宇宙戦艦ヤマト生誕40周年記念として発売された商品の一つである。ヤマトシリーズ初となる「Blu-ray audio」のフォーマットで発売された。
本盤はBlu-ray Disc再生可能機器にて鑑賞する事ができ、「リニアPCM 96kHz/24bit(5.1chサラウンド)」・「Dolby TrueHD 96kHz/24bit(5.1chサラウンド)」・「リニアPCM 96kHz/24bit(2ch)」3種類の音声が収録されている。音声選択が可能なため5.1chサラウンドの再生環境がなくても、2chステレオで『「追憶の航海」サントラ』を楽しむ事が出来る。
『追憶の航海』の音響監督である吉田知弘氏が構成・プレマスタリングを担当し、山下由美子氏がマスタリングを手掛けている。
収録曲は47曲(主題歌・ED曲の2曲除く)で、オリジナルから再録した楽曲が約6割の27曲、宮川彬良氏が新たに作・編曲した楽曲が約4割の20曲収録されている。ストーリー・映像と同様に新しい展開をみせてくれた『ヤマト2199』音楽の世界をこの1枚で感じる事ができるアルバムとなっている。加えて、主題歌「宇宙戦艦ヤマト(Short Size)」(Tr.02)とED曲「BLUE」(Tr.49)の2曲がレコード会社の垣根を越えて収録され、本盤の価値と満足度を高めており『追憶の航海』を音楽で“追想”するのに申し分ない内容となっている。
本盤は『追憶の航海』劇中のほぼ使用曲順であり、複数使用された楽曲も映像シーンをイメージさせるのに過不足がなく構成されている。『追憶の航海』での33万6千年光年の旅をサウンドトラック(音楽)で振り返ることが出来る充分な内容となっており、既発売である3タイトルのサウンドトラックをお持ちの方にもお勧めできる1枚である。
『追憶の航海』は単なる『ヤマト2199』の総集編ではなく、音響面では2chステレオから5.1chサラウンドへの手直しや、劇伴(BGM)については異次元断層を脱出直後にゲール率いるガミラス艦隊に襲われるシーン等、『ヤマト2199』とは異なる選曲がされている。『追憶の航海』を未見の方には映像・物語だけでなく、音響面でも『ヤマト2199』との違いを見つけるのも面白い。
もう一つの『ヤマト2199』が『追憶の航海』にはあるのだ。
○EX解説
『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下、『ヤマト2199』)の音楽とは?そんな事を1枚で体現してくれる、そんなアルバムではないだろうか。
本盤は「Blu-ray audio」というフォーマットで、Blu-ray再生機器が必要な以上“気軽に聴く”という点では正直弱いが、これまで発売された『ヤマト2199』3枚のオリジナル・サウンドトラックシリーズから分け隔てなく収録されている点からすれば強ち間違いではないと思う。上記解説にもある通り『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』の物語に沿った収録内容になっているので、『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』のオリジナル・サウンドトラックとしてもストレスなく聴けるのは素晴らしく、一石二鳥な凝縮された1枚だ。もう一つの『ヤマト2199』音楽の入門盤として言っても過言ではないと思う。
さて、本盤で使用されたフォーマット「Blu-ray audio」の特徴である“音質”と“音声”について少し触れておきたいと思う。
まずは音質についてだが、本盤では“96kHz/24bit”というCDの音質(44.1kHz/16bit)を圧倒的に上回るハイレゾ(High Resolutionの略)音質で収録されている。これは数値的にCD音質よりも情報量が3.3倍という事になるのだが、はっきり言ってしまえば想像は付かないかと思う。実際に聴いていただければ・・・という事になるのだが、具体的にどう違うのか?というのを提示しておかないとイマイチ分からないという事も大いにあろう。
例として、本盤の「艦隊集結」(Tr.33)と『宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.2』〈LACA-15302〉に収録の「艦隊集結」を聴き比べていただければと思う。冒頭のティンパニーから後者では、ひとつの例えではあるが“音が濁っているよう”に聴こえるが、前者では“すっきりとした音”に聴こえるのではないだろうか?また同曲の9秒辺りから高らかに鳴り響くトランペットも同様にその違いについて明確に分かるポイントと思う。
特にティンパニーをはじめとした打楽器(パーカッション)やトランペットをはじめとした管楽器の“響き”・“音の艶”に違いがまず、判りやすく現れるのでそこを意識していただければ、ハイレゾの本質を実感する事が出来る。もちろん他にも違いはあるのだが、判りやすい点を一つ紹介してみた次第だ。
次に音声について補足的に解説をしよう。上記解説にもある通り、「リニアPCM 96kHz/24bit(5.1ch)」・「Dolby TrueHD 96kHz/24bit(5.1ch)」・「リニアPCM 96kHz/24bit(2ch)」の3種類の音声が収録されている。もう少しかみ砕いてみると、5.1chは「リニアPCM」と「Dolby TrueHD」の2種類、2chは「リニアPCM」の1種類だ。ここで5.1chにある「リニアPCM」と「Dolby TrueHD」の違いが気になるところだが、ざっくり言ってしまえば音源を圧縮しているか、圧縮していないかの違いだ。「リニアPCM」は非圧縮、「Dolby TrueHD」は圧縮音源となっている。音源を圧縮する事によって音質は劣化するものであるので、5.1ch環境をお持ちの方は5.1chの「リニアPCM」を選択していただければベストである。逆に5.1ch環境がない方は2ch音源を選んでいただければ理論上ベストなのだが、音を再生する機器によって5.1chの「リニアPCM」の方が良く聴こえる事も有りうるので、そこは聴き比べて自身のベストを選んでいただければと思う。尚、5.1chと2chの違いについては「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟 オリジナル・サウンドトラック(OS-10)」の項で扱う。
『宇宙戦艦ヤマト』シリーズにおいて初のフォーマットとなった「Blu-ray audio」である本盤は、より深い楽しみ方も出来る“一石三鳥”のお得感あるアルバムに仕上がっている。この「Blu-ray audio」フォーマットがヤマト音楽に対してどう活躍するのか?今後期待したいところだ。
○メディア/発売日/型番
BDa 2014年12月24日(COXC-1105)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | コスモタイガー(Wan・Dah・Bah)/【コスモタイガー(Wan・Dah・Bah≪[Alternate Version]≫)】 | 02′18" |
02 | 宇宙戦艦ヤマト(Short Size) | 01′15" |
03 | 無限に広がる大宇宙/【無限に広がる大宇宙≪(Alternate Version)≫】 | 01′38" |
04 | 夕日に眠るヤマト(短い) | 00′35" |
05 | 美しい大海を渡る(悲しい) | 01′41" |
06 | ヤマトのボレロ | 00′56" |
07 | 大河ヤマトのテーマ/【大河ヤマトのテーマ≪(Alternate Version)≫】 | 01′31" |
08 | 哀しみのスカーフ | 00′55" |
09 | ワープ | 00′45" |
10 | 宇宙の静寂 | 01′21" |
11 | ファースト・コンタクト | 01′46" |
12 | 哀しみのヤマト(オーボエのみ) | 00′49" |
13 | 大志 | 01′01" |
14 | デスラー登場/【デスラー登場≪(Alternate Version)≫】 | 01′39" |
15 | ガミラス国歌「永遠に讃えよ我が光」(歌入り) | 01′49" |
16 | サスペンス(不信感) | 00′36" |
17 | 敵宇宙船の出撃 | 01′02" |
18 | 探索機発進 | 01′05" |
19 | 星が見えた | 00′27" |
20 | イスカンダルの女/【イスカンダルの女≪(Alternate Version)≫】 | 01′29" |
21 | 美しい大海を渡る | 02′41" |
22 | サスペンスA | 01′00" |
23 | 眠れる想い | 01′00" |
24 | 膠着する戦闘 | 01′13" |
25 | ヤマト渦中へ | 01′43" |
26 | サスペンスB | 00′50" |
27 | ガミラス国歌「永遠に讃えよ我が光」(歌無し) | 01′49" |
28 | ブラックタイガー | 02′56" |
29 | ガミラス次元潜航艦 | 01′38" |
30 | 誰もいない街 | 00′37" |
31 | 絶体絶命 | 00′51" |
32 | ヤマト前進 | 01′12" |
33 | 艦隊集結 | 01′23" |
34 | 独裁者の苦悩 | 01′46" |
35 | 哀しみのヤマト | 02′05" |
36 | 元祖ヤマトのテーマ | 01′58" |
37 | デスラー襲撃 | 02′37" |
38 | 孤高のデスラー | 02′04" |
39 | 帝都防衛戦(「ヤマト渦中へ」バリエーション) | 01′27" |
40 | 第二バレラス | 01′42" |
41 | 崩れゆく総統府~希望 | 00′49" |
42 | 大志(若者よ大志を抱け) | 01′42" |
43 | 虚空の邂逅 | 01′55" |
44 | 美しい大海を渡る(弦) | 01′43" |
45 | 哀しみのBG | 01′36" |
46 | 碧水晶 | 01′59" |
47 | ハーモニカ(真赤なスカーフ) | 00′58" |
48 | 地球を飛び立つヤマト | 02′23" |
49 | BLUE/【BLUE≪(水樹奈々)≫】 | 04′05" |
(Total: 74′20")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟 オリジナル・サウンドトラック 5.1ch サラウンド・エディション』〈COXC-1106〉(以下、『「星巡る方舟」BDaサントラ』)は2014年12月6日より全国上映された完全新作劇場版『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』(以下、『星巡る方舟』)のサウンドトラック盤として、劇場公開終了後の2015年2月25日に『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海 オリジナル・サウンドトラック 5.1ch サラウンド・エディション』〈COXC-1105〉(以下、『「追憶の航海」サントラ』)に続く、「Blu-ray audio」フォーマットのオリジナル・サウンドトラック第2弾として日本コロムビアより発売された。
当初、同日に『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟 オリジナル・サウンドトラック』〈2枚組・LACA-9382~3〉と『「宇宙戦艦ヤマト2199」「宇宙戦艦ヤマト」吹奏楽版』〈LACM-14315〉の2タイトルがCDフォーマットでランティスより発売予定であったが、発売中止となった。その後、2015年4月1日に再度発売告知が掲載され、『星巡る方舟』のBlu-ray・DVD発売日と同日の2015年5月27日に『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟 オリジナル・サウンドトラック』〈LACA-15492〉(以下、『「星巡る方舟」サントラ』)としてCDフォーマットにて発売された。本項ではこの『「星巡る方舟」BDaサントラ』と『「星巡る方舟」サントラ』について解説する。
日本コロムビアより発売された『「星巡る方舟」BDaサントラ』、ランティスより発売された『「星巡る方舟」サントラ』はフォーマット自体異なるが、収録楽曲は同一である。
『星巡る方舟』は『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』(以下、『追憶の航海』)に引き続き、5.1chサラウンド音響の作品となっている。制作にあたっては『追憶の航海』と同様、『星巡る方舟』の音響監督である吉田知弘氏が構成・プレマスタリングを担当し、マスタリングは山下由美子氏が担当している。『「星巡る方舟」BDaサントラ』の仕様は『「追憶の航海」サントラ』と同じで、5.1chサラウンドの再生環境が整っていれば自宅でも劇場と同じ音源を楽しむことができる。
『星巡る方舟』の音楽は『「星巡る方舟」BDaサントラ』・『「星巡る方舟」サントラ』(以下、本盤)付属のブックレットや劇場用パンフレット等によると、BGM収録は2014年10月11日、10月30日、11月12日の計3回に渡って行われ、昨今楽器パートごとに別撮りすることが多い中、演奏者全員が一堂に会し、劇場用サウンドトラックとして新たに収録された。『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下、『ヤマト2199』)のBGMは予め収録したものをシーンに合わせて調節して使用されていたが、『星巡る方舟』では最初からシーンに合わせて作曲するフィルムスコアリングに近い形式を採用されており、コンテ撮を見ながら曲をイメージして作・編曲し、吉田知弘音響監督と相談しながら音の伸びなどを調整して演奏・録音され、決められたシーンの長さの中で、楽曲の起承転結が付けられている。なお、生演奏のため音のタイミングに若干のずれは、微調整されているために厳密にはフィルムスコアリングではないが、宮川彬良氏は「伸び伸びとしたフィルムスコアリング」ともコメントして事から分かるように、本編と密着したBGMとなっており、『星巡る方舟』の音楽を語る上で外すことのできない最大の特長となっている。『ヤマト2199』音楽の特長については「宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.1(OS-06)」の項にて触れているので、参考にして頂きたい。
本盤は宮川彬良氏によるオリジナル『宇宙戦艦ヤマト』(以下、『ヤマト』)の再現曲、『ヤマト2199』で作曲された新曲の編曲、オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの音楽の編曲に加え、新たに『星巡る方舟』用に作・編曲した楽曲の新規録音より構成された全38曲(挿入曲・ED曲の2曲含む)が収録されている。
『「星巡る方舟」BDaサントラ』・『「星巡る方舟」サントラ』共に、本編使用とほぼ同じ順に構成され、更に主題曲「宇宙戦艦ヤマト」(Tr.02)とED曲「Great Harmony ~for yamato2199」(Tr.38)の2曲が販売レコード会社の垣根を越えて収録され、『「追憶の航海」サントラ』に続き、サウンドトラック盤として価値と満足度を高めている。
『星巡る方舟』音楽の最大の特長となっているフィルムスコアリングによる新たに作・編曲された楽曲を幾つか紹介する。まずは、本編の冒頭に滅亡を迎えようとする赤い地球へ帰還途中の土方竜総司令と空間騎兵隊隊長斉藤始のドラマの映像シーンに流れた「最後の希望」(Tr.01)である。この楽曲は劇伴収録の最終日に収録され、“伸び伸びと宇宙を俯瞰して見ている様なおおらかさが必要”との注文から、宮川彬良氏の「無限に広がる大宇宙」のピアノメロディに合わせて幾度と再収録を重ね、Yucca氏のアカペラのみのシンプルなアレンジで、地球の絶望的な状況をより悲哀に満ちたように表現した楽曲である。そしてフィルムスコアリングの効果が最も表れている映像シーンのひとつして、筆者が紹介したいのは自由浮遊惑星へ降下し、その空洞惑星内で追手のククルカン級襲撃型駆逐艦と繰り広げるヤマトの戦闘シーンで使用されている「降下するヤマト」(Tr.12)である。危機迫るヤマトの映像シーンと曲の長さがシンクロし、BGMが映像シーンをより引き立たせており、シーンとの相乗効果を生んでいる。「降下するヤマト」(Tr.12)は「ヤマト渦中へ」のアレンジ曲で、この原曲よりも38秒長い2分24秒の楽曲となっている。
次に『星巡る方舟』での宮川彬良氏による新曲を幾つか紹介しよう。まず、ヒロインの桐生美影がヴォイスレコーダーで航海日誌をつけているシーンで流れる「航海日誌」(Tr.04)が挙げられる。ヤマト艦内での平穏な生活を送っているクルーを表した「日常」にも似た楽曲であり「草原」、「大志」と並ぶ穏やかな雰囲気の楽曲である。本編、中盤の桐生美影の登場シーンでは別アレンジ「航海日誌~ホテルにて~」(Tr.21)もあり、桐生美影のテーマ曲とも言える楽曲となっている。また『ヤマト2199』シリーズにおいて宮川彬良氏が初の作曲を担当した主題歌でもある「Great Harmony ~for yamato2199」(Tr.38)は、平原綾香氏が歌う『星巡る方舟』のED曲であり、曲のラストには「大志」のフレーズが入っており、単なるED曲以上の存在感を醸し出している。これは宮川彬良氏のアイディアで挿入され、若者の群像劇のテーマ曲として監督から依頼された『ヤマト2199』の新曲「大志」で締めくくられているのは、『星巡る方舟』のテーマである世代交代の宮川彬良氏からの想いが込められているように思える。
続いて、オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの音楽のモチーフを使用した新曲を紹介。ダガーム率いるガトランティス艦隊の旗艦メガルーダの中で兵士が叩く太鼓の音が次第にBGMに変わっていく「ガトランティス襲撃」(Tr.08)は、ヤマトを捕獲するために次々に回転しながらワープアウトするククルカン級襲撃型駆逐艦とBGMの曲調が、蛮族を表現するメロディとも絡みあい、ガトランティスのイメージを音で形づくられており、『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(1978年)の「白色彗星」のメロディが見事に融合したガトランティスのテーマ曲のひとつである。また、ガトランティスのダガーム艦隊とヤマトとガミラス艦隊の最終決戦で、ダガーム旗艦メガルーダとヤマトの戦闘シーンに流れる「大決戦-ヤマト・ガミラス・ガトランティス-」(Tr.34)は、ヤマトのテーマ・ガミラスのテーマ・ガトランティスのテーマがメドレーで展開し、オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの楽曲と『ヤマト2199』の新曲が組曲となり、まさに『宇宙戦艦ヤマト』音楽のオリジナルとリメイクを融合させた、新たな『宇宙戦艦ヤマト』の代表曲と言える1曲となり得た曲である。
そして、『ヤマト2199』の新曲を新たに編曲した曲を幾つか紹介しよう。バーガーがヤマトとの停戦命令を伝えに来たネレディア・リッケに向かって、その憤りのない思いと悲しさを打ち明けたシーンに使用された「バーガーの悲哀」(Tr.06)は、ゆっくりと奏でるピアノの旋律が悲哀さを帯びていて印象に残るBGMとなっている。また、ヴァレス・バーレンがホテルのピアノを弾きながら、古代たちにバーガーの不幸な過去とヤマトへの復讐心があることを告げるシーンで流れる「バーガーの過去」(Tr.23)や、『星巡る方舟』のテーマを表す名シーンである、大和ホテルでのドラマ終盤で兄・古代守の「異星人とも理解しあえる」という言葉をバーガーに伝えるシーンで流れる「友情」(Tr.27)等があり、『ヤマト2199』でガミラス側のテーマ曲となった「永遠に讃えよ我が光」が多くアレンジされている。なお、ヴァレス・パーレンが弾いている「バーガーの過去」(Tr.23)のピアノは、宮川彬良氏自身が演奏しているところを撮影し、作画されている。その他にも『ヤマト2199』第14話「魔女はささやく」でも使用されている曲である「ジレルの囁き」(Tr.25)は、ピアノの音色と囁くように歌う女性の声が絡み合っている不可不思議な曲であり、『星巡る方舟』では人の精神をコントロールできるジレル族である異様な雰囲気を表現している曲となっており、裏メロディに「幻影ホテル」(Tr.19)のピアノの音色が入り、より不可思議な雰囲気を醸し出している。「魔女はささやく」に引き続き、不可解な歌を歌っているのはヴォイス・パフォーマーの橋本一子氏である。
その他に「わかれ~わかれ-出航-(メドレー)」(Tr.36)は本編で沖田艦長が所有するレコード楽曲であり、ヤマトが共に戦ったバーガーたちと別れ、地球への帰路につくシーンで流れる。相互理解出来たヤマトクルーとバーガーたちの心情を表しているようにも聴こえる歌詞の内容で、この曲はドイツの民謡「Muss i denn」より。『星巡る方舟』の締め括りとして使用された。その歌詞が作品の重要なモチーフになっており、このような楽曲使用はオリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズを含め、初めての試みである。原曲の詳細についてはブックレットを参照して頂きたい。
このように、『ヤマト2199』で構築された“オリジナル音楽の忠実な再現”と“オリジナルにはない新しい音楽”の2つが発展し、ヤマトのテーマ=“宇宙戦艦ヤマト”・ガミラスのテーマ=“永遠に讃えよ我が光 (ガミラス国歌)”の方程式が、『星巡る方舟』については新たにガトランティス=“白色彗星”が付加されだけでなく、『ヤマト2199』・『星巡る方舟』の作品内ではオリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズで、バラバラに存在していた星間国家・民族が、同一の宇宙空間に存在し、その誕生も関連付けされた描き方がされ『ヤマト』以降のヤマトシリーズの“つながり”を持ったことで、音楽サイドも必然的に“つながり”を持ち、オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの楽曲採用による幅と奥行きが増し、更に新曲を誕生した事で収録楽曲にバラエティ感があるサントラとして仕上がった。オリジナルのヤマト音楽と新作のヤマト音楽が違和感なく融合し、素晴らしい『ヤマト2199』音楽の世界を完成させている。
最後に新曲についての余談を幾つか。本編冒頭で最初に流れるBGM「最後の希望」(Tr.01)にて、後半のヤマトのテーマによるタイトルロールの部分が15秒だったのを吉田知弘音響監督から「18秒にして欲しい!」との要望があり、管楽器の人の息が続かないのをどう伸ばすのか苦労したことを宮川彬良氏先生が印象的だったシーンのひとつとして「ヤマトーク 星巡るミュージック」(2014年12月18日に新宿ピカデリーにて開催)内で語っている。この部分は宮川彬良氏にとって、映像と音楽のシンクロが印象的だったシーンのひとつとしてコメントしていた。次に本編終盤で使用される「大決戦-ヤマト・ガミラス・ガトランティス-」(Tr.34)は『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』(1979年)の「大戦争-ゴルバ・デスラー・ヤマト-」をイメージして吉田知弘音響監督が宮川彬良氏にオーダーした楽曲である。そして「Great Harmony ~for yamato2199」(Tr.38)のタイトルの由来は「“大和”と書いて、偉“大”(Great)な調“和”(Harmony)」から。宮川彬良氏は元々『ヤマト2199』への参加は、テーマ曲は担当しなくても良さそうということで引き受けていたが本作においてついに作ることになり、作曲の際には作詞担当の吉元由美氏と詞の内容でキャッチボールを何度も繰り返したという。またこの曲は売ることを目的に作った楽曲ではなく、“ヤマトらしさ”を追及して作曲したED曲であることを、宮川彬良氏が強調されていた事を筆者は印象深く記憶に残っている。
『星巡る方舟』の公開を以て区切りを迎えた『ヤマト2199』。本盤は『ヤマト2199』の集大成とも言えるアルバムに仕上がっており、既発の『「ヤマト2199」サントラ1』・『「ヤマト2199」サントラ2』・『「ヤマト2199」サントラ3』・『「追憶の航海」サントラ』と本盤を併せて聴いて頂き、“宇宙戦艦ヤマトの33万6千光年の長い航海”を音楽で振り返って欲しい。
○EX解説
『宇宙戦艦ヤマト2199』の音楽から“飛躍”した音楽が『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』(以下、『星巡る方舟』)の音楽に詰まっていると思う。
『星巡る方舟』のオリジナル・サウンドトラックとして「Blu-ray audio」(以下、「BDa」)と「Compact Disc」(以下、「CD」)の2つのフォーマットで発売された。両者の収録曲に変わりはないので、どう聴きたいか?で選択が分かれると思う。
じっくり聴きたいという方や、劇場音源で聴きたい、ハイレゾ音質で聴きたいという方は「BDa」。気軽に聴きたいという方は「CD」といった選択になる。「BDa」の方が利点が多いが、「CD」の方が購入者は多いのでは?と思う。“気軽に聴ける”点はこれまでの音楽メディアの歴史において、重要視されてきた点であるからだ。
「BDa」を敢えてここでは紹介しておきたい。「BDa」については「宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海 オリジナル・サウンドトラック(OS-09)」の項でも紹介しているが、「CD」と比べて多くの違いがある。今回「BDa」の魅力のひとつである“音声”について触れてみようと思う。
「BDa」において、大まかに「5.1ch(通称:サラウンド)」と「2ch(通称:ステレオ)」の2つの音声が収録されている。
5.1chと2chの違いは何なのか?それは言わば“再生するスピーカーの数”の違いだ。まずは後者の2chは、2つのスピーカー(L[左]とR[右])で再生する音声となる。皆さんが音楽を聴くときに使うイヤホンやヘッドホンもこれに当たる。因みに「CD」に収録されているのはこの2ch音源だ。
続いて前者の5.1chは、5つのスピーカー(FL[左前方]・FR[右前方]・C[真ん中]・SL[左後方]・SR[右後方])と1つの低音域専用のスピーカー(0.1chと数える)で再生する音声となる。2ch音声との違いはスピーカーの数はもちろんだが、それによる深い音響を再生する事に尽きる。5.1chでは計6つのスピーカーから音を出せる為、主に主音・反響音・低音といった具合で独立した音を再生出来る。
『星巡る方舟』において、5.1ch音声が採用されている為、本編の音響に近い状態で楽しめるのが「BDa」なのだ。ここまで色々と簡単ではあるが、5.1chと2ch音声の違いについて書いてきたが、判りやすい具体的な例を紹介しよう。
「蛮族襲来」(Tr.03)を5.1chと2chで聴き比べて欲しい。明確な違いは何と言っても“低音の違い”だろう。5.1chの方が圧倒的に低音の情報量が多いのではないだろうか?それは先述の低音域の0.1ch分の音があるからだ。もちろん2chに低音がないというわけではないが、5.1chの方の低音は明瞭だ。他にも違いはあるが、それは是非聴き比べていただけたらと思う。
音声についてだけで、これほどの情報量があるという事からも「BDa」の本質が判ってくるだろう。
さて話題が変わるが、もう一つ触れておかないといけないのは本編とオリジナル・サウンドトラックの違いについてだ。
『星巡る方舟』で、本編の音とオリジナル・サウンドトラックの音と違うという声を比較的多く聞く。これは、本編において音楽以外の“台詞”や“効果音”といった他の“音”と“画面”との「統合性」によって生じる編集(トラックダウン等)にある。
実は『宇宙戦艦ヤマト』シリーズにおいて、こういった違いについては『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(1978年)(以下、『さらば』)から付きまとっている点であるのはご存知だろうか?音というのは、人間が勝手に楽器だったり、声だったりと脳で認識しているだけで、実はひとつの空気の振動にしか過ぎない。その為、同じ音域の音が重なってしまうと“聴こえずらい”といった障害が出てくる。その同じ音域を避けるよう専用に、それぞれトラックダウン(ミックスとも言う)によって音楽が創られている。例えば『さらば』では、大きく分けてモノラル音源(=1ch)・ステレオ音源(=2ch)の2種類の音源がある。それぞれ、楽器の音のバランスが異なっている。因みに『さらば』本編で使われたのはモノラル音源だが、実際に商品化されているのは大半がステレオ音源だ。では、何故ステレオ音源が商品化されるのかは観賞用に創られているからに過ぎない。
レコードやCD等、音盤化される際に収録される音源は、基本的に作曲者の意図した音が収録される為、本編と異なる事も言える。
『ヤマトよ永遠に』(1980年)や『宇宙戦艦ヤマト 完結編 70mm』(1983年)になると、音声がサラウンド化され、より多くの音源が用意されている。『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』(2009年)からはデジタル化という事もあり、より複雑になっている。逆に言えばその分、より入念に音作りをしなければならないという事も言えるだろう。
『星巡る方舟』のオリジナル・サウンドトラックでは、録音された長さのままで収録されている旨の関係者から証言が取れている事を併せて加えておく。(「共同作戦」(Tr.30)や「大決戦-ヤマト・ガミラス・ガトランティス-」(Tr.34)等も収録されたままの長さである)
話題が逸れ、難しい話が続いてしまった感を否めないが、事実としてこういった事がある。逆に言えば、それほどヤマトは音にも拘りがあるという事に繋がっている。こうした事を踏まえて、今一度ヤマトの“音楽”、“音”に本盤を通じて耳を傾けてはいかがだろうか。
○メディア/発売日/型番
BDa 2015年02月25日(COXC-1106)
CD 2015年05月27日(LACA-15492)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | 最後の希望 | 01′35" |
02 | 宇宙戦艦ヤマト2199 | 02′27" |
03 | 蛮族襲来 | 01′58" |
04 | 航海日誌 | 01′46" |
05 | 想い | 01′32" |
06 | バーガーの悲哀 | 01′57" |
07 | 寛ぎ | 01′07" |
08 | ガトランティス襲撃 | 01′55" |
09 | ダガーム | 01′49" |
10 | ヤマトVSガトランティス | 02′13" |
11 | 火焔直撃砲 | 00′24" |
12 | 降下するヤマト | 02′18" |
13 | ヤマト激突ワープ | 01′25" |
14 | 薄鈍色の宇宙 | 01′27" |
15 | シャンブロウ | 02′32" |
16 | 豹変 | 00′32" |
17 | 降下する試作宙艇 | 00′37" |
18 | 密林に眠る大和 | 00′52" |
19 | 幻影ホテル | 00′52" |
20 | 絵本 | 01′43" |
21 | 航海日誌~ホテルにて~ | 01′44" |
22 | 悪夢 | 00′48" |
23 | バーガーの過去 | 01′56" |
24 | サーベラー | 00′59" |
25 | ジレルの囁き | 01′49" |
26 | 追跡/【追跡≪(2199 Version)≫】 | 00′43" |
27 | 友情 | 01′04" |
28 | レーレライ | 01′45" |
29 | 目覚めの時 | 00′51" |
30 | 共同作戦 | 00′51" |
31 | ヤマト出撃/【ヤマト出撃≪(2199 Version)≫】 | 02′02" |
32 | 大帝の影 | 00′52" |
33 | ガトランティス | 02′35" |
34 | 大決戦-ヤマト・ガミラス・ガトランティス- | 03′11" |
35 | 方舟は星の海へと還る | 02′44" |
36 | わかれ~わかれ-出航-(メドレー) | 02′28" |
36-01 | わかれ | 01′16" |
36-02 | わかれ-出航-(BGMver.) | 01′10" |
37 | 地球を想う | 01′12" |
38 | Great Harmony ~for yamato2199/【Great Harmony ~for yamato2199≪(平原綾香)≫】 | 05′21" |
(Total: 66′22")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
本盤は2015年2月28日と3月1日の2日間に渡って、舞浜アンフィシアターで開催されたコンサート「宮川彬良Presents 宇宙戦艦ヤマト2199 Concert2015」のS席でのみ限定配布された特典CDである。
収録内容は『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』でテーマ曲として使われた「Muss i denn(わかれ)」のみであるが、「わかれ(Inst.)」(Tr.02)は本盤だけの収録となっている。本編では艦長室で古代と沖田がSPレコード「Muss i denn」を一緒に聴く穏やかなシーンで使われた。
また、本盤は本編で沖田が所有するSPレコード「Muss i denn」を音盤化したグッズ・コレクター的要素も含まれている。
レコードデザインは、世界で一番の歴史を持つクラシック音楽レコードレーベルである “ドイツ・グラモフォン”(一般的に「イエロー・レーベル」と呼ばれている)をモチーフにしており、こういった面でも拘りを感じさせられる。ここはクラシック音楽ファンにはニヤリとさせられた点であろう。本盤においてもそのデザイン性はそのまま活かされており、ジャケット画の “Akira Miyagawa” の文字がひと際立っている。
いつの日か、クラシック音楽コーナーに並んでいたらどこか誇らしい―
○メディア/発売日/型番
CD 2015年02月28日&03月01日(GES-15070)
○収録内容
Tr No. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | わかれ | 01′17" |
02 | わかれ(Inst.) | 01′17" |
03 | わかれ-出航-(BGMver.) | 01′11" |
(Total: 03′45")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
主題歌/挿入歌類
○概況と解説
2012年4月25日にランティスより発売されたテレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2199』の主題歌シングルCDである。
本盤に収録されているのは、オープニング主題歌と第三章(第7~10話)エンディング主題歌。
・「宇宙戦艦ヤマト」(作曲 - 宮川泰 / 編曲 - 宮川彬良 / 作詞 - 阿久悠 / 歌 - ささきいさお)
・「真赤なスカーフ」(作曲 - 宮川泰 / 編曲 - 宮川彬良 / 作詞 - 阿久悠 / 歌 - ささきいさお)
上記2曲とカラオケ音源が収められている。
後に「『宇宙戦艦ヤマト2199』主題歌集(TS-35)」にてこれらの曲(カラオケ音源を除く)がまとめられた。
○メディア/発売日/型番
CD 2012年04月25日(LACM-4921)
配信 2013年06月01日(LACM-4921)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | 宇宙戦艦ヤマト/【宇宙戦艦ヤマト≪(ささきいさお)≫】 | 02′24″ |
02 | 真赤なスカーフ/【真赤なスカーフ≪(ささきいさお)≫】 | 02′55″ |
03 | 宇宙戦艦ヤマト(カラオケ) | 02′24″ |
04 | 真赤なスカーフ(カラオケ) | 02′55″ |
(Total:10′38")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
2012年6月27日にランティスより発売されたテレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2199』の主題歌シングルCDである。
本盤に収録されているのは、第一章(第1~2話)エンディング主題歌と第二章(第3~6話)エンディング主題歌。
・「星が永遠を照らしてる」(作曲 - 黒須克彦 / 編曲 - 市川淳 / 作詞 - 畑亜貴 / 歌 - 結城アイラ)
・「美しい地球を知る者よ」(作編曲 - 増田武史 / 作詞 - 畑亜貴 / 歌 - 美郷あき)
上記2曲とカラオケ音源が収められている。
後に「『宇宙戦艦ヤマト2199』主題歌集(TS-35)」にてこれらの曲(カラオケ音源を除く)がまとめられた。
○メディア/発売日/型番
CD 2012年06月27日(LACM-4928)
配信 2013年07月03日(LACM-4928)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | 星が永遠(とわ)を照らしてる/【星が永遠(とわ)を照らしてる≪(結城アイラ)≫】 | 04′58″ |
02 | 美しい地球(ほし)を知る者よ/【美しい地球(ほし)を知る者よ≪(美郷あき)≫】 | 05′05″ |
03 | 星が永遠(とわ)を照らしてる(Off Vocal) | 04′58″ |
04 | 美しい地球(ほし)を知る者よ(Off Vocal) | 05′05″ |
(Total:20′06")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
2013年3月27日にランティスより発売されたテレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2199』の主題歌シングルCDである。
本盤に収録されているのは、第四章(第11~14話)エンディング主題歌。
・「記憶の光」(作曲・作詞 - KOKIA / 編曲 - 伊藤真澄 / 歌 - KOKIA)
上記1曲とカラオケ音源、他カップリング曲「Where to go my love(single ver.)」が収められている。
後に「『宇宙戦艦ヤマト2199』主題歌集(TS-35)」にて、カラオケ音源とカップリング曲を除き、まとめられた。
○メディア/発売日/型番
CD 2013年03月27日(LACM-14068)
配信 2014年04月02日(LACM-14068)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | 記憶の光/【記憶の光≪(KOKIA)≫】 | 06′06″ |
02 | Where to go my love(single ver.) | 05′11″ |
03 | 記憶の光(Inst.) | 06′06″ |
(Total:17′23")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
2013年6月12日にランティスより発売されたテレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2199』の主題歌シングルCDである。
本盤に収録されているのは、第五章(第15~18話)エンディング主題歌。
・「ヨーソロー ~星の海を越えて~」(作曲・作詞 - 影山ヒロノブ / 編曲 - 須藤賢一 / 歌 - 影山ヒロノブ)
上記1曲とカラオケ音源、他カップリング曲「風音 ~君に逢いたくて~」が収められている。
後に「『宇宙戦艦ヤマト2199』主題歌集(TS-35)」にて、カラオケ音源とカップリング曲を除き、まとめられた。
○メディア/発売日/型番
CD 2013年06月12日(LACM-14090)
配信 2014年04月23日(LACM-14090)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | ヨーソロー ~星の海を越えて~/【ヨーソロー ~星の海を越えて~≪(影山ヒロノブ)≫】 | 05′12″ |
02 | 風音 ~君に逢いたくて~ | 05′27″ |
03 | ヨーソロー ~星の海を越えて~(Off Vocal) | 05′12″ |
04 | 風音 ~君に逢いたくて~(Off Vocal) | 05′27″ |
(Total:21′18")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
2013年7月10日にランティスより発売されたテレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2199』の主題歌シングルCDである。ジャケットイラストは裏面に配置された。
本盤に収録されているのは、第六章(第19~22話)エンディング主題歌。
・「R.I.P ~友よ静かに眠れ~」(作曲 - 福山芳樹 / 編曲 - 須藤賢一 / 作詞 - 影山ヒロノブ / 歌 - JAM Project)
上記1曲とカラオケ音源、他カップリング曲「未来への誓い」が収められている。
後に「『宇宙戦艦ヤマト2199』主題歌集(TS-35)」にて、カラオケ音源とカップリング曲を除き、まとめられた。
○メディア/発売日/型番
CD 2013年07月10日(LACM-14100)
配信 2014年04月23日(LACM-14100)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | R.I.P ~友よ静かに眠れ~/【R.I.P ~友よ静かに眠れ~≪(JAM Project)≫】 | 04′54″ |
02 | 未来への誓い | 04′48″ |
03 | R.I.P ~友よ静かに眠れ~<off vocal> | 04′54″ |
04 | 未来への誓い<off vocal> | 04′48″ |
(Total:19′24")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
2013年7月31日にキングより発売されたテレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2199』の主題歌シングルCDである。(厳密にはテレビシリーズ『戦姫絶唱シンフォギアG』の主題歌シングルCD)
本盤に収録されているのは、第七章(第23~26話)エンディング主題歌。
・「愛の星」(作曲 - 吉木絵里子 / 編曲 - 藤間仁 / 作詞 - 水樹奈々、吉木絵里子 / 歌 - 水樹奈々)
上記1曲とカップリング曲「Vitalization」、「ドラマティックラブ」が収められている。(「愛の星」は厳密には「Vitalization」のカップリング的立ち位置、若しくは両A面的な立ち位置)
後に「『宇宙戦艦ヤマト2199』主題歌集(TS-35)」にて、カップリング曲を除き、まとめられた。
○EX解説
この「愛の星」はヤマトファンから曲自体の出来もさることながら、水樹奈々氏の真摯な姿勢に対しても好意的に受け入れる声が多かったが、水樹奈々ファンからも好評であった。水樹奈々氏の楽曲でこのような落ち着いた曲は珍しかったのも理由のひとつかもしれない。
CD収録順では2曲目という位置づけではあったが、この「愛の星」はその後、水樹本人がゲスト出演した『NHKのど自慢』や、本人のライブでも歌われることになった。その際歌う前に『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下、『ヤマト2199』)での楽曲という旨を発言しており、またメディア媒体でのインタビューも多かった。水樹奈々氏の起用は『ヤマト2199』の宣伝としても少なからず貢献したといえよう。なおライブ自体はBD化されている。
「愛の星」はミュージッククリップも作られている。このMVでは本人は登場せず、アニメ映像を編集したものであり、ヤマトクルーにて販売された『ヤマト2199』第七章BD/DVDヤマトクルー限定版にそのMVを収録したDVDが特典として付属していた。ただし、水樹奈々氏のMV集である『NANA CLIPS 6』(2013年12月11日発売)にも同じMVが収録されている。こちらはBD版もあるので、画質にこだわる方はこちらを購入するのがお勧めである。この他、アルバム『SUPERNAL LIBERTY』(2014年4月16日発売)には「愛の星 -two hearts-」が収録されている。こちらはアルパ奏者:上松美香氏の演奏によるアレンジバージョンである。
○メディア/発売日/型番
CD 2013年07月31日(KICM-1461)
配信 2013年07月31日(KICM-1461)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | Vitalization | 03′43″ |
02 | 愛の星/【愛の星≪(水樹奈々)≫】 | 04′27″ |
03 | ドラマティックラブ | 03′33″ |
(Total:11′43")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
2013年5月1日にランティスより発売されたテレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2199』の主題歌シングルCDである。
本盤に収録されているのは、MBS・TBS系全国ネット放送版オープニング主題歌。
・「宇宙戦艦ヤマト」(作曲 - 宮川泰 / 編曲 - 須藤賢一 / 監修 - 宮川彬良 / 作詞 - 阿久悠 / 歌 - Project Yamato 2199)
上記1曲と歌唱者違い、カラオケ音源が収められている。
後に「『宇宙戦艦ヤマト2199』主題歌集(TS-35)」にて「宇宙戦艦ヤマト」のテレビサイズのみが収録された。
○EX解説
歌唱者としてクレジットされている“Project Yamato 2199”(仮称:ヤマトオールスターズ)とは、全31組から成るアニメソングアーティストで構成された特別編成である。参加アーティストは以下の通り。
藍井エイル
麻生夏子
石川智晶
石田燿子
喜多修平
CooRie
GRANRODEO
栗林みな実
黒崎真音
ささきいさお
佐咲紗花
佐藤ひろ美
ZAQ
JAM Project(影山ヒロノブ、遠藤正明、きただにひろし、奥井雅美、福山芳樹)
鈴村健一
高取ヒデアキ
谷本貴義
茅原実里
ChouCho
中川翔子
橋本みゆき
飛蘭
堀江美都子
美郷あき
水木一郎
水樹奈々
結城アイラ
妖精帝國(ゆい)
yozuca*
米倉千尋
Rey(原田謙太)
(五十音順、敬称略)
本盤は、売り上げの一部を東日本大震災被災地の復興支援金として、現地で不足している小学校への本の寄贈に役立てられた。
先述のMBS・TBS系全国ネット放送版で「宇宙戦艦ヤマト」が使用されたのは、第1話のエンディングと第3~14、19話のオープニングである。
○メディア/発売日/型番
CD 2013年05月01日(LACM-14070)
配信 2014年04月23日(LACM-14070)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | 宇宙戦艦ヤマト/【宇宙戦艦ヤマト≪(Project Yamato 2199)≫】 | 04′48″ |
02 | 宇宙戦艦ヤマト(Project Yamato 2199’s Male Ver.) | 04′48″ |
03 | 宇宙戦艦ヤマト(Project Yamato 2199’s Female Ver.) | 04′48″ |
04 | 宇宙戦艦ヤマト(Inst.) | 04′39″ |
(Total:19′03")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
2013年8月14日にソニーより発売されたテレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2199』の主題歌シングルCDである。
本盤に収録されているのは、MBS・TBS系全国ネット放送版オープニング主題歌。
・「Fight For Liberty」(作曲・作詞 - TAKUYA∞ / 編曲 - UVERworld、平出悟 / 歌 - UVERworld)
上記1曲とカップリング曲「Wizard CLUB」、「a LOVELY TONE」が収められている。(厳密には「Wizard CLUB」はカップリングではなく、表題曲)
後に「『宇宙戦艦ヤマト2199』主題歌集(TS-35)」にて「Fight For Liberty」のテレビサイズのみが収録された。
○EX解説
本盤は“初回生産限定盤”と“通常盤”、そして“宇宙戦艦ヤマト2199盤”(期間生産限定)の3形態にて発売された。内、“宇宙戦艦ヤマト2199盤”ではボーナストラックとして「Fight For Liberty(TV Size)」が収録されている。本項では“宇宙戦艦ヤマト2199盤”を基に表記している。
尚、「Fight For Liberty(TV Size)」については本盤の発売前に先行配信が行われた。
先述のMBS・TBS系全国ネット放送版で「Fight For Liberty」が使用されたのは、第16~18、20~26話のオープニングである。
○メディア/発売日/型番
CD 2013年08月14日(SRCL-8327~8[初回盤]/SRCL-8330[限定盤]/SRCL-8329[通常盤])
配信 2013年08月07日(SRCL-8329) ※テレビサイズ先行配信
配信 2013年08月14日(SRCL-8329)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | Fight For Liberty/【Fight For Liberty≪(UVERworld)≫】 | 04′10″ |
02 | Wizard CLUB | 04′10″ |
03 | a LOVELY TONE | 05′14″ |
04 | Fight For Liberty(TV Size) | 01′30″ |
(Total:15′04")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
2013年5月22日にソニーより発売されたテレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2199』の主題歌シングルCDである。
本盤に収録されているのは、MBS・TBS系全国ネット放送版エンディング主題歌。
・「愛詞」(作曲・作詞 - 中島みゆき / 編曲 - 瀬尾一三 / 歌 - 中島美嘉)
上記1曲とカラオケ音源、他カップリング曲「MISSING YOU」、「初恋 -acoustic ver.-」が収められている。
後に「『宇宙戦艦ヤマト2199』主題歌集(TS-35)」にて「愛詞」のテレビサイズのみが収録された。
○EX解説
本盤は“初回生産限定盤”と“通常盤”の2形態にて発売された。
先述のMBS・TBS系全国ネット放送版で「愛詞」が使用されたのは、第2~8話のエンディングである。
○メディア/発売日/型番
CD 2013年05月22日(AICL-2534~2535[初回盤]/AICL-2536[通常盤])
配信 2014年04月01日(AICL-2536)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | 愛詞(あいことば)/【愛詞(あいことば)≪(中島美嘉)≫】 | 05′38″ |
02 | MISSING YOU | 04′24″ |
03 | 初恋 -acoustic ver.- | 04′20″ |
04 | 愛詞(あいことば) -Instrumental- | 05′38″ |
(Total:20′00")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
2013年7月3日にソニーより発売されたテレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2199』の主題歌シングルCDである。
本盤に収録されているのは、MBS・TBS系全国ネット放送版エンディング主題歌。
・「Best of my Love」(作曲 - 楠野功太郎、玉井健二 / 編曲 - 玉井健二、百田留衣 / 作詞 - 田中秀典 / 歌 - 安田レイ)
上記1曲とカップリング曲「styles」、「フォゲミナ」が収められている。
後に「『宇宙戦艦ヤマト2199』主題歌集(TS-35)」にて「Best of my Love」のテレビサイズのみが収録された。
○EX解説
本盤は“期間限定生産盤”と“通常盤の2形態にて発売された。
先述のMBS・TBS系全国ネット放送版で「Best of my Love」が使用されたのは、第9~17話のエンディングである。
○メディア/発売日/型番
CD 2013年07月03日(SECL-1355[限定盤]/SECL-1354[通常盤])
配信 2014年04月01日(SECL-1354)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | Best of my Love/【Best of my Love≪(安田レイ)≫】 | 05′42″ |
02 | styles | 03′46″ |
03 | フォゲミナ | 04′52″ |
(Total:14′20")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
2013年9月18日にソニーより発売されたテレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2199』の主題歌シングルCDである。
本盤に収録されているのは、MBS・TBS系全国ネット放送版エンディング主題歌。
・「Distance」(作曲・作詞 - 高木洋一郎 / 編曲 - 坂本昌之 / 歌 - JUJU)
上記1曲とカラオケ音源、他カップリング曲「Heart Beat」、「All The Things(Your Man Won’t Do)」が収められている。
後に「『宇宙戦艦ヤマト2199』主題歌集(TS-35)」にて「Distance」のテレビサイズのみが収録された。
○EX解説
先述のMBS・TBS系全国ネット放送版で「Distance」が使用されたのは、第18~26話のエンディングである。
尚、第20話と第26話では本編内使用もされた。
○メディア/発売日/型番
CD 2013年09月18日(AICL-2579)
配信 2013年09月18日(AICL-2579)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | Distance/【Distance≪(JUJU)≫】 | 05′04″ |
02 | Heart Beat | 04′26″ |
03 | All The Things(Your Man Won’t Do) | 06′20″ |
04 | Distance -Instrumental- | 05′04″ |
(Total:20′54")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下、『ヤマト2199』)の映像展開は、劇場公開→テレビ放送の経緯を辿っている。
当初の劇場上映版では楽曲関連は「ランティス」が関わり、第七章では水樹奈々氏の起用により「キングレコード」(以下、「キング」)も参加、更にテレビ初回放送版では「ソニー・ミュージックエンタテンメント」(以下、「ソニー」)が「ランティス」・「キング」に代わる形で楽曲を提供した。結果として『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』公開前の段階で主題歌関連のCDのみで11枚も発売されており、これは2クールのアニメで発売された枚数としては極めて異例である。
本盤『宇宙戦艦ヤマト2199 主題歌集』はそれらの楽曲群を「ランティス」が「キング」・「ソニー」両社の協力を得てCD1枚にコンパクトにまとめたもので、『ヤマト2199』ボーカルベストともいうべきものである。「ベストアルバム」でなく「主題歌集」というタイトルは、ヤマトという作品の趣きに合わせたものであろう。
このCDには本作で使われたボーカル曲を全て網羅しているが、その収録形態は
・フルサイズのみ収録
・TVサイズのみ収録
・フルサイズ&TVサイズ両方収録
とさまざまである。
最初のフルサイズのみ収録は「宇宙戦艦ヤマト」(Tr.01)と「愛の星」(Tr.08)、TVサイズのみ収録はテレビ初回放送時の「ソニー」関連全てと「宇宙戦艦ヤマト(TV Size)」(Tr.09)の音源、最後の両方収録はランティス版の音源(「宇宙戦艦ヤマト」を除く)である。
CDの収録時間的には全ての曲を両サイズ収録もできたはずなのがこのような複雑な形態の収録になったのは、どちらか片方のサイズのみ収録の曲はランティス以外の音源が殆どで、両バージョン収録の許諾が降りなかったのではないかと推察できる。
更に注意としては、本CDに収録されている「TVサイズ」は二種類あるということである。Tr.09~13のTVサイズ曲は初回MBS・TBS放送時に使われたもの、Tr.14~19のTVサイズ曲はTOKYO MX/BS11放送で使われたものである。『ヤマト2199』は劇場上映版も含めOPとEDの使用形態が非常に複雑であり、BD/DVD版にもその全てが網羅されているわけではない。
ブックレットの表紙や歌詞欄のバックにはTOKYO MX/BS11エンディングでも使われた麻宮騎亜氏のイラストが使われており目を楽しませてくれる。
完全収録とはいかないまでも、多数の楽曲を収録しており、ボーカルCD全部を買うのはちょっと…という新規ファンの方にはお勧めの入門CDである。また逆に今までのCDを買い集めているファンにとっても、本盤のTVサイズは殆ど初収録のものなので、コレクションとしても買う意義のあるものといえよう。ただし、BD/DVD版で使われた「愛の星」のショートサイズが収録されなかった一点のみは残念なところである(このショートサイズは他CDにも収録されていない)。またこのCDの発売が『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』・『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』公開前なので、当然両作品の曲は収録されていない旨も注意されたい。
○EX解説
本盤には幾つか補足が必要な音源がある為、以下に曲毎に記載する。
「宇宙戦艦ヤマト(TV Size)」(Tr.09)
―「宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.3(OS-08)」に収録された「宇宙戦艦ヤマト(TVOP Short Size)」と同一音源であり、実際にテレビで使用された音源とは異なる。実際に使用されたヴァージョンは大きく分けて2種類あり、1つ目がこちらの音源に同じく「宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.3(OS-08)」に収録された「宇宙戦艦ヤマト(TVOP Short fade-out Ver.)」のコーダ(曲の終結部)に差し替えたもの。2つ目が先ほど記載した「宇宙戦艦ヤマト(TVOP Short fade-out Ver.)」である。
「Best of my Love(TV Size)」(Tr.12)
―実際にテレビで使用された音源とは異なる。こちらも残念ながら未使用の音源である。
「ヨーソロー ~星の海を越えて~(TOKYO MX/BS11版)」(Tr.18)
―「ヨーソロー ~星の海を越えて~」(Tr.06)とは異なる歌唱・コーラステイクである。また映像ソフト(BD&DVD)で使用されている「ヨーソロー~星の海を越えて~(Short Size)」(「宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナル・サウンドトラック Part.2(OS-07)」に収録)とも異なっており、ぜひ聴き比べしていただきたい!
上記のように不備が見られるのも事実である為、“Short Size”をはじめとした未収録音源や『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』&『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』の主題歌を収録した完全決定版が発売される事を願いたい。
○メディア/発売日/型番
CD 2014年08月27日(LACA-15443)
配信 2014年09月03日(LACA-15443)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | 宇宙戦艦ヤマト/【宇宙戦艦ヤマト≪(ささきいさお)≫】 | 02′24″ |
02 | 星が永遠(とわ)を照らしてる/【星が永遠(とわ)を照らしてる≪(結城アイラ)≫】 | 04′58″ |
03 | 美しい地球(ほし)を知る者よ/【美しい地球(ほし)を知る者よ≪(美郷あき)≫】 | 05′05″ |
04 | 真赤なスカーフ/【真赤なスカーフ≪(ささきいさお)≫】 | 02′56″ |
05 | 記憶の光/【記憶の光≪(KOKIA)≫】 | 06′06″ |
06 | ヨーソロー ~星の海を越えて~/【ヨーソロー ~星の海を越えて~≪(影山ヒロノブ)≫】 | 05′12″ |
07 | R.I.P ~友よ静かに眠れ~/【R.I.P ~友よ静かに眠れ~≪(JAM Project)≫】 | 04′54″ |
08 | 愛の星/【愛の星≪(水樹奈々)≫】 | 04′28″ |
09 | 宇宙戦艦ヤマト(TV Size)/【宇宙戦艦ヤマト(TVOP Short Size)】 | 01′31″ |
10 | Fight For Liberty(TV Size) | 01′31″ |
11 | 愛詞(TV Size) | 01′30″ |
12 | Best of my Love(TV Size) | 01′29″ |
13 | Distance(TV Size) | 01′29″ |
14 | 美しい地球(ほし)を知る者よ(TOKYO MX/BS11版) | 01′29″ |
15 | 真赤なスカーフ(TOKYO MX/BS11版) | 01′29″ |
16 | 星が永遠(とわ)を照らしてる(TOKYO MX/BS11版) | 01′29″ |
17 | 記憶の光(TOKYO MX/BS11版) | 01′29″ |
18 | ヨーソロー ~星の海を越えて~(TOKYO MX/BS11版) | 01′29″ |
19 | R.I.P ~友よ静かに眠れ~(TOKYO MX/BS11版) | 01′29″ |
(Total:52′27")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
2014年10月15日にキングより発売された劇場作品『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』の主題歌シングルCDである。(厳密にはテレビシリーズ『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞(ロンド)』の主題歌シングルCD)
・「BLUE」(作曲 - 吉木絵里子 / 編曲 - 藤間仁 / 作詞・歌 - 水樹奈々)
上記1曲とカップリング曲「禁断のレジスタンス」、「ドリームライダー」が収められている。(「BLUE」は厳密には「禁断のレジスタンス」のカップリング的立ち位置、若しくは両A面的な立ち位置)
発売時期的に「『宇宙戦艦ヤマト2199』主題歌集(TS-35)」には収録されていない。
○メディア/発売日/型番
CD 2014年10月15日(KICM-1542)
配信 2014年10月15日(KICM-1542)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | 禁断のレジスタンス | 04′22″ |
02 | BLUE/【BLUE≪(水樹奈々)≫】 | 04′07″ |
03 | ドリームライダー | 03′26″ |
(Total:11′55")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○概況と解説
2014年12月3日に日本コロムビアより配信限定発売された劇場作品『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』の主題歌シングルである。
・「宇宙戦艦ヤマト2199」(作曲 - 宮川泰 / 編曲 - 宮川彬良 / ヴァイオリン - 葉加瀬太郎)
・「Great Harmony~for yamato2199」(作編曲 - 宮川彬良 / 作詞 - 吉元由美 / 歌 - 平原綾香)
上記2曲とカラオケ音源が配信された。
発売時期的に「『宇宙戦艦ヤマト2199』主題歌集(TS-35)」には収録されていない。
後に「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟 オリジナル・サウンドトラック(OS-10)」にてこれらの曲(カラオケ音源を除く)がまとめられた。
○メディア/発売日/型番
配信 2014年12月03日(COKM-32818)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | 宇宙戦艦ヤマト2199 | 02′30″ |
02 | Great Harmony ~for yamato2199/【Great Harmony ~for yamato2199≪(平原綾香)≫】 | 05′24″ |
03 | Great Harmony ~for yamato2199(オリジナルカラオケ) | 05′24″ |
(Total:13′18")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
企画盤
○メディア/発売日/型番
CD 2013年03月27日(COCX-37867)
BD 2015年12月24日(BCXE-1036/BCXE-1037)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | オーバーチュア | 02′08″ |
02 | MC | 01′17″ |
03 | 組曲「宇宙戦艦ヤマト」Ⅰ.序曲 | 03′04″ |
04 | 組曲「宇宙戦艦ヤマト」Ⅱ.宇宙戦艦ヤマト | 02′22″ |
05 | 組曲「宇宙戦艦ヤマト」Ⅲ.出撃 | 01′47″ |
06 | 組曲「宇宙戦艦ヤマト」Ⅳ.大いなる愛 | 02′31″ |
07 | MC | 03′22″ |
08 | ブリッジB | 00′14″ |
09 | MC | 00′43″ |
10 | 探索艇 | 01′09″ |
11 | MC | 02′24″ |
12 | 無限に広がる大宇宙 | 02′12″ |
13 | MC | 01′44″ |
14 | 美しい大海を渡る | 00′52″ |
15 | MC | 02′19″ |
16 | 艦隊集結 | 01′29″ |
17 | MC | 02′38″ |
18 | 地球を飛び立つヤマト | 02′46″ |
19 | 新コスモタイガー(Wan・Dah・Bah Ver.) | 02′47″ |
20 | MC | 02′50″ |
21 | 永遠に讃えよ我が光(ガミラス国歌) | 01′55″ |
22 | 銀河航路 | 02′07″ |
23 | MC | 02′46″ |
24 | ヤマト渦中へ | 02′00″ |
25 | 大河ヤマトのテーマ | 02′07″ |
26 | ラブ・シュープリーム~至上の愛~ | 04′10″ |
27 | 宇宙戦艦ヤマト | 03′31″ |
(Total: 59′14")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○メディア/発売日/型番
CD 2014年12月03日(HUCD-10172)
配信 2015年09月02日(ANTCD-15837)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | 宇宙戦艦ヤマト2199 | 02′28″ |
02 | 序曲/【序曲≪(40th Anniversary)≫】 | 01′10″ |
03 | 誕生/【誕生≪(40th Anniversary)≫】 | 03′45″ |
04 | 真赤なスカーフ/【真赤なスカーフ≪(40th Anniversary)≫】 | 03′54″ |
05 | イスカンダル/【イスカンダル≪(40th Anniversary)≫】 | 05′19″ |
06 | 明日への希望/【明日への希望≪(40th Anniversary)≫】 | 04′28″ |
07 | サーシャ/【サーシャ≪(40th Anniversary)≫】 | 03′50″ |
08 | 白色彗星/【白色彗星≪(40th Anniversary)≫】 | 04′27″ |
09 | 英雄の丘/【英雄の丘≪(40th Anniversary)≫】 | 03′30″ |
10 | 想人/【想人≪(40th Anniversary)≫】 | 02′54″ |
11 | デスラー 好敵手/【デスラー 好敵手≪(40th Anniversary)≫】 | 02′35″ |
12 | 大いなる愛/【大いなる愛≪(40th Anniversary)≫】 | 03′40″ |
13 | ヤマトより愛をこめて/【ヤマトより愛をこめて≪(40th Anniversary)≫】 | 05′01″ |
(Total: 47′01")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○メディア/発売日/型番
CD 2015年03月04日(FOCD-9661)
○収録内容
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | 映画「ロシュフォールの恋人たち」から“キャラバンの到着とマクサンスの歌” | 04′25″ |
02 | 映画「波止場」からの交響組曲 | 18′22″ |
03 | 「宇宙戦艦ヤマト2199」からの音楽 オーバーチュア | 01′56″ |
04 | 「宇宙戦艦ヤマト2199」からの音楽 無限に広がる大宇宙 | 02′02″ |
05 | 「宇宙戦艦ヤマト2199」からの音楽 序奏(組曲から第1曲) | 02′59″ |
06 | 「宇宙戦艦ヤマト2199」からの音楽 宇宙戦艦ヤマト(組曲から第2曲) | 02′30″ |
07 | 「宇宙戦艦ヤマト2199」からの音楽 地球を飛び立つヤマト | 02′29″ |
08 | 「宇宙戦艦ヤマト2199」からの音楽 コスモタイガー | 02′23″ |
09 | 「宇宙戦艦ヤマト2199」からの音楽 探索艇 | 01′21″ |
10 | 「宇宙戦艦ヤマト2199」からの音楽 永遠に讃えよ我が光(ガミラス国歌) | 02′11″ |
11 | 「宇宙戦艦ヤマト2199」からの音楽 艦隊集結(ベンハー・ヤマト) | 01′21″ |
12 | 「宇宙戦艦ヤマト2199」からの音楽 銀河航路 | 01′52″ |
13 | 「宇宙戦艦ヤマト2199」からの音楽 出撃(組曲から第3曲) | 01′40″ |
14 | 「宇宙戦艦ヤマト2199」からの音楽 ヤマト渦中へ | 01′47″ |
15 | 「宇宙戦艦ヤマト2199」からの音楽 イスカンダル | 02′17″ |
16 | 「宇宙戦艦ヤマト2199」からの音楽 大いなる愛(組曲から第4曲) | 01′59″ |
17 | 「宇宙戦艦ヤマト2199」からの音楽 大河ヤマト | 01′49″ |
18 | 開眼序曲 Ⅰ.Adagio | 06′23″ |
19 | 開眼序曲 Ⅱ.Polonaise | 05′27″ |
20 | 易~生業―生業(ナリワイ)から | 05′18″ |
21 | 宇宙戦艦ヤマト | 03′21″ |
(Total: 73′52")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
○メディア/発売日/型番
CD 2015年06月10日(COCX-39088~9)
BDa 2015年06月10日(COXC-1115)
配信 2015年07月01日(COCX-39088~9)
BD 2015年12月24日(BCXE-1035/BCXE-1037)
【DISC-1】
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | 銀河航路BG | 02′02″ |
02 | ナレーション1 | 00′57″ |
03 | 無限に広がる大宇宙 | 01′58″ |
04 | ナレーション2 | 01′13″ |
05 | 夕日に眠るヤマト | 01′27″ |
06 | 地球を飛び立つヤマト | 02′26″ |
07 | 大河ヤマトのテーマ | 01′49″ |
08 | ナレーション3 | 00′33″ |
09 | ファースト・コンタクト | 01′49″ |
10 | 艦隊集結 | 01′30″ |
11 | ガミラス次元潜航艦 | 01′36″ |
12 | 永遠に讃えよ我が光 | 02′19″ |
13 | ブラックタイガー | 01′39″ |
14 | ナレーション4 | 00′47″ |
15 | コスモタイガー(Wan・Dah・Bah) | 02′39″ |
16 | ヤマト前進 | 01′13″ |
17 | ヤマト渦中へ | 01′48″ |
18 | ナレーション5 | 01′09″ |
19 | 孤高のデスラー | 02′26″ |
20 | 第二バレラス | 01′40″ |
21 | 崩れゆく総統府~希望 | 00′55″ |
22 | ナレーション6 | 00′28″ |
23 | 大志 | 02′12″ |
24 | 虚空の邂逅 | 02′23″ |
25 | 美しい大海を渡る | 02′59″ |
(Total: 41′57")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
【DISC-2】
Tr. | 曲タイトル | タイム |
---|---|---|
01 | 宇宙戦艦ヤマト2199 | 02′55″ |
02 | ナレーション7 | 00′40″ |
03 | 蛮族襲来 | 02′04″ |
04 | ガトランティス襲撃 | 01′59″ |
05 | 薄鈍色の宇宙 | 01′21″ |
06 | シャンブロウ | 02′40″ |
07 | ナレーション8 | 00′52″ |
08 | 航海日誌 | 01′51″ |
09 | ナレーション9 | 00′23″ |
10 | ジレルの囁き | 04′10″ |
11 | ガトランティス | 02′39″ |
12 | 絵本 | 01′48″ |
13 | レーレライ | 01′44″ |
14 | 目覚めの時 | 00′56″ |
15 | ナレーション10 | 00′33″ |
16 | 大決戦-ヤマト・ガミラス・ガトランティス- | 03′21″ |
17 | 方舟は星の海へと還る | 03′51″ |
18 | わかれ~わかれ-出航-(メドレー) | 02′42″ |
19 | Great Harmony ~for yamato2199 | 05′28″ |
20 | 真赤なスカーフ | 03′13″ |
21 | 銀河航路 | 02′22″ |
22 | 宇宙戦艦ヤマト | 03′03″ |
(Total: 50′35")
※【】内は「使用楽曲リスト」等での曲タイトル、≪≫内はサイトオリジナル補記の曲タイトル
●「概況と解説」担当:
にしこ(OS-06、OS-07、OS-08、OS-09、OS-10)
ひめのきみこと(TS-35)
福科考∞譜観(OS-11、TS-24、TS-25、TS-26、TS-27、TS-28、TS-29、TS-30、TS-31、TS-32、TS-33、TS-34、TS-36、TS-37)
●「EX解説」担当:
福科考∞譜観(OS-06、OS-07[協力:せぶん]、OS-08、OS-09、OS-10、TS-30、TS-31、TS-32、TS-33、TS-34、TS-35)
ひめのきみこと(TS-29)
(敬称略)